明日から10月。日に日に気温が下がって秋が深まってきました。そろそろ冬の事を考える季節かも知れません。
最近は栽培物が増えて野菜に季節感が無くなっていますが、やっぱり冬といえば根菜でしょうか。根菜には体を温める作用があるとか。ことこと煮た根菜のスープは体だけでなく心も温めてくれる気もします。
写真はフィンランド、フィネル(Finel)のホウロウ鍋「Vegeta」です。Vegetaは多分ベジタブルのベジタ。鍋の周りにはニンジン、玉ねぎ、えんどう豆などの野菜がぐるりと描かれています。ホウロウは全体が温まるので、じっくりと火を通すお料理に向いています。それに、こんなお鍋で作った野菜のスープは見るからに美味しそう。
シンプルなお料理には縁のデコレートの凝った器が合います。手前のスープ皿はGefle Fest。落ち着いた色合いなので、食卓にしっくりと馴染むでしょう。
ところで北欧には”専業主婦”に相当する言葉は無いそう。2004年のスウェーデンの統計では16歳から65歳の女性の内79%が就労しているそうです。全体の20%は学生と考えられるので、ほぼ100%が働いていることになり、専業主婦がいないことが分かります。
とはいえ1960年代以前は専業主婦は存在していたので、言葉が「無い」というよりも今や「死語」なのでしょう。
そんな北欧ですから、1960年代頃から働く主婦の家事を軽減するために様々な製品が作られました。このフィネルの鍋もその一つ。現代の日本でもほとんどの人が出来たお料理を鍋から器に移していると思いますが、この可愛らしいデザインは「鍋のまま食卓へ」という提案がされています。家事の一手間を減らすちょっとした工夫です。
北欧では専業主婦がいないことで男性も積極的に家事に関わる人が多いようです。北欧の台所用品の特徴として、男性デザイナーの作品でも使い勝手を良く考えられているのは、そんな事情があるからなのですね。
ミタ
とはいえ、1950年代か60年代のスウェーデンの某男性デザイナーはデザインしたキャニスターのフタが持ちにくく落として割る人が多いとのクレームに対して「だってこっちの方が格好良いじゃん」と言い放ったそうです。別に名前を伏せている訳でなく、有名な話らしいんですが、誰だったか思い出せないんですよ。思い出したら何かの機会に書きますね。