このMaximシリーズの販売は1960年から63年。ビビは1957年にグスタフスベリを去っていますから、少なくとも3年間このデザインは作られること無く保管されていました。
ビビのグスタフスベリ所属は1953年から57年と長くは有りません。もともとインテリア関係のデザイナーであった彼女は、グスタフスベリに勤めて程なく「仕事がつまらない」と辞めてしまいます。
そもそもはデコレーターとしてグスタフスベリに誘われた夫のカールが、妻の方が向いているとビビを推奨して一緒に勤めていたのですが、カールも「つまらない」とビビと同じく1957年に辞めています。
写真はグスタフスベリ時代のビビとカール。
カールはその後自身のデザイン事務所を開き、ビビと共にプラスチックを使った製品で次々に世界的ヒットを作り出しています。
そのあたりの詳しい経緯は以前も書きましたので、あわせてご覧下さい。
→優しい7月の誕生花、ロータス柄のプレート
ビビがグスタフスベリで作った作品数は多くはないのですが、1958年から70年と10年以上に渡るヒット作であったLotusシリーズも彼女のデザインです。彼女はこのLotus柄を個人的に気に入っていて、テーブルクロスなどテキスタイルも作っています。いま、そのテキスタイルは入手が困難で、コレクター垂涎の品だとか。
このMaximも気に入っていたのか、同じくテキスタイルに展開しています。そもそもインテリア畑出身の彼女ですから、インテリアをトータルに考えることに興味があったのでしょうか。いずれにしても、食器だけのデコレートデザインには面白みを感じなかったようですね。
ミタ
後ろのコーヒーポットはドイツのローゼンタールのもの。いつかアップしますね。