12月5日の夜、クリスマスボールで有名な、来日中のノルウェーのニットデュオ「アルネ&カルロス」のトークショーを聞きに、ノルウェー王国大使館に行ってきました。
大使館のホールには彼らの作品を飾ったツリーが設置されていて開始前から気分が盛り上がります。
写真の一番左はノルウェー親善大使(ヘル・スタイルノルウェー)の称号を持つジャーナリストの中村孝則さん、そして中村さんに並ぶのが、今回の主役、ノルウェー人のアルネ・ネルヨデット(Arne Nerjordet)さんとスウェーデン人のカルロス・サキリソン(Carlos Zachrison)さんです。
ファッション学を教えていたアルネさんと経済学を学んでいたカルロスさんは同じ学校で出会い、2002年にデュオ・ブランド「Arne & Carlos」を立ち上げました。ちなみに2人は出会って1週間後には同居を始めたとか。ロマンチックですね。
当初はファッションブランドだった「Arne & Carlos」。2008年には日本のブランド、コム・デ・ギャルソンともコラボレーション作品を発表しています。
「確かに川久保玲さんとの仕事は素晴らしかった。けれども半年後には着てもらえなくなるスピードの速いファッションの世界には飽き飽きしたんです」とカルロスさん。「それで、前から何か本を出したいなと思っていて、クリスマスボールの本を出したんです」
そうして出された「55 Christmas Balls to Knit」は大ヒットし、今は10以上の原語で翻訳されているそうです。
「クリスマスが終わるとこの本は仕舞われてしまうかもしれないけれど、秋になったらまた出してもらえる。そうして何十年も使ってもらえるなんて素敵ですよね」
と語る二人。もうファッションには戻りたくないとか。
さて、あまりにも濃い内容のトークショーだったので、どこからお伝えして良いのか迷いましたが、フクヤらしくデザインにスポットを当ててみますね。
2人はオスロから遠く180km北にある古い駅舎を改装し、美しいイングリッシュガーデン(今はノルウェー風、らしいですが)を作り、自然と共に生活しています。
彼らの作品の蝶や蜂といったパターンはこの自然の中から生まれています。
そして、彼らのインスピレーションの源は自然だけでなく、ノルウェーの伝統的な民族衣装、更に1950年代のグラビア写真など、古いものからも多くを得ています。
例えば、アルネのおばあさん(赤い帽子の女性)の編んだニットの柄から。
このデザインが。
例えば屋根裏に仕舞われていた古いニットをつなぎ合わせて作ったものから。
このデザインが。
ファッションに関わらなくなった今でも、クリスマスボールのパターンを古いものから得ているのは変わらないそうです。
特に昔の子供用ミトンのデザインはクリスマスボールに大きな影響を与えているとか。彼らのどこか懐かしく、気持ちの安らぐようなデザインはこういったところから出来ているのですね。ビンテージがお好きなフクヤのお客さまにも共感する部分があるのではないでしょうか。
今はクリスマスボールから編みぐるみへと発展しています。特に自分そっくり人形。世界中のファンが自らのそっくり人形を2人のサイトに投稿するとか。右の写真はカルロスさんのそっくり人形です。
これはノルウェー国立美術館の依頼で作ったロイヤルファミリーそっくり人形。時間が無くて末っ子の王子を作る事が出来なかったそうです。この人形達は常設展示になっているので、オスロに行かれたときは足を運んでみてはいかがでしょうか。
今回、沢山の人形達と来日されたお二人。右から2番目の人形は来日に当たって特別に作った「キャンディ・キャンディ」人形だそう。子どもの時にテレビで観ていたんですって!
こちらはノルウェー夢ネットの青木さん。アルネ&カルロスの著書を持参してサインをもらっているところです。
日本人にノルウェー語で話しかけられ、驚いている二人。
巷で日本のコメディアン”おぎやはぎ”にそっくりと評判の2人におぎやはぎの写真を見せているところ(左の頭は青木さん)。
「こっちがアルネでこっちが僕ね」
気さくなお2人、おぎやはぎの写真と一緒に記念写真に納まってくださいました。立ち居地も完璧。なんとも貴重な(?)1枚です。
もちろん、ちゃんとした写真も撮りましたよ。
トークショーの後は軽食が用意されていました。
ノルウェーのクリスマスに7種類のクッキーを食べる習慣に合わせて、クッキーが7種類(後2種類は別のプレートに)。
おつまみの数々と飲み物も。ご馳走様でした。
ところで、中村さんがトークショーで「2人のビジネスの成功理由は何でしょうか?Facebookやサイトはどのような効果がありますか」と尋ねられたところ「Facebookなどは補足に過ぎません、世界中を周ってワークショップなどで実際にファン達に触れ合う事が重要なのです」と答えられていたのが印象的でした。
フクヤもネットショップメインですが、月に2日とはいえ、お店でビンテージファンの人たちと実際にお話しすることが、なんだか大切なような気がするのです。
ミタ
で、私も青木さんに便乗して記念写真を撮ってもらいました。ふはははは。
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