優しく温かなエンボスのロールストランドForma

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夏に友人の庭で採れたブルーベリーを1キロ程いただいたので、冷凍庫に保存しながら少しずつ使っていました。夏から秋にかけてブルーベリーのお菓子を何度か作り、昨日フィンランドのブルーベリータルト、ムスティッカピーラッカを焼いたら、ついに全部無くなってしまいました。

温かいコーヒーと、甘酸っぱいタルトを口に運びながら、ついに夏が終わったなあとしみじみ。

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なんて思いつつ、仕事上は9月の残暑厳しいときからクリスマスのアイテムがスタートしているのですから、自分の中で季節が二つ同時進行しているような奇妙な感じもします。
ムスティッカピーラッカのお隣は北欧のクリスマスの定番、ジンジャーブレッドクッキー。口に含むとたっぷりのスパイスの香りが広がり、まさにクリスマスの味。夏の味とクリスマスの味が混在している、まさにちょっと前のフクヤを象徴しているような写真です。
トップに使った食器は、ロールストランド(Rörstrand)のフォルマ(Forma)シリーズ。シンプルなデザインながら、そっと施されたエンボスのウロコのような柄が、ふとした光の加減で見え、全体に柔らかさを与えています。
けれどもフォルムそのものはどっしりとしていて、実用的。カップはスタッキングができるので、収納の場所を取らず、底の高台には溝が彫ってあり、食洗機で洗った時に水がたまる事を防いでいます。地も厚みがあり、しっかりと丈夫。普段使いには持って来いのアイテムです。
質実性と、柔らかさの対比が面白く、長く使っていても飽きが来ないでしょう。乳白色の色は目に温かく、寒い季節でも違和感無くお使いいただけます。実際、スウェーデンでも人気だったのか、製造期間は長く1967年から1981年。
デザインはオーレ・アルベリウス(Olle Alberius 1926年-1993年)。ロールストランドに1963年から1971年まで所属した後、ガラスメーカーのオレフォスに移っています。ロールストランド時代の代表的な作品の一つがこのFormaシリーズです。
1971年にロールストランドを離れた、というのは、彼もその年に行われた大リストラの対象の一人だったのでしょう。ロールストランドを買収したUpsala-Ekebyによる解雇劇は失う物も多く、1982年にWärtsilä社に買収されるまでの10年間は”förlorat årtionde(失われた10年)”と呼ばれています。
詳しくは→自由な環境が生んだ美しい作品

こちらの写真は、オレフォス時代のオーレ・アルベリウスです。自由にダウンロードしてよいとの事でしたので、オレフォスのサイトからお借りしました。

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オレフォスに移った後、オーレ・アルベリウスが現在も継続して作られているような、数々の名作を残した事を思えば、やはりロールストランドが失った物は大きかったのかも知れませんね。

ミタ

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