こんにちは、久しぶりにArabiaのKFモデルのティーポットが入荷しました。
満水で約600ccという小さめサイズにコロンとした形が人気のポットです。注ぎ口には茶葉を漉せるように穴が空いています。
デザインはアラビアを代表するデザイナー、カイ・フランク。1952年から1970年と20年近い製造期間で、色はこの茶の艶なしのほかにも、いくつか作られています。
今回の再入荷をきっかけに、再度このポットについて調べていたら、面白い写真が出てきました。
このKFモデルには写真の小さなKF1のほかに、一回り大きいKF3があります(KF2はないと思います)。
そのKF3にKF1を重ねて使用している発売当時の古い写真です。
同じようにポットを重ねている別の作品が、ヘルシンキのアラビアミュージアムに展示されていました。案内の女性に「下のポットは何に使うのですか?」と尋ねると「お茶を薄めるお湯を入れるんですよ」と説明されました。
そういえば昔々、20歳の時に初めて行ったイギリスで、学生としてはちょっと頑張ってレストランで食事をした事があります(といっても普通のレストランですが)。
そこで食後のお茶を頼むと、もちろんポットで出てきたのですが、一緒にお湯を入れたジャグも出されました。「何に使うお湯ですか?」と尋ねると「お茶が濃かったらこれで薄めてください」と教えてくれました。
茶葉が入っているので時間と共にポットのお茶が濃くなってしまいますし、ミルクティーが基本のイギリスではそもそも濃い目なので濃すぎると感じる人もあるでしょう。その時に薄めるお湯が一緒に出されていたのですね。それから何回かイギリスには行きましたが、もうお湯を出されても戸惑う事は無くなりました。
イギリスではお湯は別の器で出てきましたが、考え方としては同じです。イギリスにも2段重ねのポットがあるのかどうか、不勉強で知りませんが、2段重ねのポットはフィンランドだけでなく、スウェーデンのビンテージでも見られる形です(トルコでは現役で使われているようです)。
その2段ポットを日本のいくつかのショップサイトで見ると、下にいれるお湯は「保温用」と説明されていました。なるほどそう解釈もあるのかと思いつつ、上のポットのお茶が冷めるときは下のポットのお湯も冷めるよね、と不自然な感じもしました。少なくとも私の見た限りではどこも「薄め用」のお湯を入れるとは書いていなかったのが残念です。
単なる保温用ならば注ぎ口は要らない訳で、中には「紅茶とコーヒーの両方にも」とあるところもあって、それもあるけれどその前にねと、モヤモヤとした気持ちになり、いつか機会があったら書きたいなあ、と思っていました。今日はちょっと中途半端な内容ですが、いいきっかけなので取り上げました。
いつか本当に2段ポットが入荷するときがあれば、改めてご紹介しますね。
ミタ