こんにちは、暑さに負けてすっかりブログの更新が出来ていませんでした。
さて、スウェーデン語でTrasmatta(トラースマッタ)と呼ばれるこのマットは、伝統的には横糸に古くなった生地を裂いたものを使って織り上げた、家庭でのリサイクル品です。
同じようなものは日本を含め、世界中にあると思うのですが、スウェーデンやフィンランドでは世代を超えて使われている定番のインテリアのように感じます。スウェーデンのお宅を訪問すると、ほとんどの家で敷かれているのを見ますし、若者がターゲットのオシャレセレクトショップにも、リサイクル品でなく新しく作られたものが販売されているくらいですから。
ただ、新しいものは確かにきれいで柄も均一ですが、トラースマッタの良さはリサイクル品にあると思います。
偶然が生み出した色と柄は世界中で一つしかない魅力を放っているからです。
そのトラースマッタですが、お求めになった方から、お手入れ方法を良く尋ねられます。
実はとても簡単で、ご家庭の洗濯機で普通に洗う事が出来ます。特にビンテージ品は、元々使い古した布を裂いて作ったものですから、デリケート洗いの必要もありません。
ご家庭の洗濯機では手に負えないような大きなものはコインランドリーを利用する方法もあります。実際、フクヤでも大きなものはコインランドリーで洗い、脱水までしたところで持ち帰って、自宅で干しています。クリーニングに出すよりもずっとお安くすみます。
ところで、フィンランドには海岸などに公共のマット洗い場(Mattolaituri)があり、家庭では手に負えない大きなマットはここで洗う事ができます。
大きなローラーでマットを挟んで絞る、脱水機もあれば、干す場所も用意されているそう。
このマット洗い場はフィンランドの夏の風物詩として、観光バスが訪れるスポットになっていると聞きますが、残念ながら消えつつあります。
理由は環境汚染防止のため、これ以上ラグを海で洗ってはいけなくなったのだとか。洗い場である埠頭の保守管理が中止され、危険を伴うため年々数が減少しているそうです。
簡単な解説がヘルシンキ観光のブログにありました(英語)。
→Helsinki tourism news blog
トラースマッタは、5月の買付でまたいくつか仕入れてきています。長い物はもちろんですが、今回は人気の短めサイズを中心に集めました。写真に写っているもの以外にもいくつかあります。秋の風が吹く前にはボチボチアップしますので、どうぞお楽しみに。
そんなに待てない、という方には既にサイトにアップしているこちらをどうぞ。
→トラースマッタ
毎年夏は秋冬に向けて、グラニーブランケットを洗って準備しているのですが、今年からトラースマッタを洗う、という新しいミッションも生まれました。カラフルなマットが並んで干されているところは、なかなか楽しい光景です。
ミタ
北欧では日本と同じく、家の中では靴を脱ぐのが普通です。ですから、マットには日本の家庭で使われていた程度の汚れはありますが、泥などでひどく汚れている事はありません。ご安心下さい(中にはベランダや庭で使っていたのか、ひどく汚れている物も有りますが、それは買い付けませんので)。
ちなみに何故、靴を脱ぐ習慣があるのかというと、雪が深くて靴がドロドロに汚れるからだそうです。