天真爛漫な白い花

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おはようございます。
ノルウェーから大変可愛らしいシリーズが再入荷しました。
Figgjo(フィッギオ)で1969年から製造された、Daisy(デイジー)です。製造終了ははっきりとはしませんが、1980年代のことでは無いかと思います。
デザインはTuri(Turid) Gramstad Oliver。カタカナで表すと”トゥーリ グラムスタッド オリヴェール”です。
日本では”チュリ”とか”チューリ”書かれていることもあるのですが、ノルウェー語通訳・翻訳の青木さんに確認したところ、”トゥーリ”が原音に近いそう。
さて、このトゥーリさん、1980年にFiggjoを退職してから、主にテキスタイルを使った作品を作るアーティストとして現在も活躍しています。おそらく陶磁器の絵付けからすっかりと離れていたと思うのですが(確信はありませんが)、1年ほど前からノルウェーでFiggjo時代の作品が回顧展の開催や、新聞、テレビで取り上げられたりと再評価されています。

上の写真はその回顧展に合わせて、Figgjoで製作した新作を手にするトゥーリさんの元気なお姿。写真をクリックするとリンク先で動画と回顧展の様子が見られますので、是非ご覧下さい!

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トゥーリさんは1938年生まれですから現在73歳。動画に写るお姿はしゃきしゃきしていて、何よりおしゃれ!アシンメトリーなヘアースタイルに不思議な柄の靴下(?)凝った織りのコートの重ね着はなんともキュートです。
今回Daisyが再入荷をしたので、再度Daisyについて調べてみると、恐らくこの回顧展に関連したTuri-Designの新聞連載記事(全12回)が見つかりました。とても短い記事であまり詳しくは書かれていないのですが、小見出しが”Daisy ble piratkopiert i Japan”。意味は
“デイジーは日本で海賊版が出された”
どうやら、あまり愉快な内容ではないですね。
先ほども書いたとおり詳しい記述はないので、記事から分るのは、日本でコピー品が出されたこと、Figgjoはこの件に関しては特に抗議などの行動は起こさなかったこと、の2点だけでした。
今の人にはピンと来ないかもしれませんが、かつて日本はコピー品で名を馳せた不名誉な過去があります。実際スティグ・リンドベリやカイ・フランクも日本のコピー品には悩まされたよう。
カイ・フランクは来日講演で「日本独自のもの作りを」と語ったそうで、またリンドベリがとある日本の窯元で模造をやめるようにと諭す後ろにバッチリとリンドベリ作品のコピー商品のポスターが貼ってあった、という逸話は、さて、どこで読んだのか?

幸か不幸か、私はこの日本製に出合った事が無いのですが、デイジーのような単純な絵柄は真似しやすかったのは想像に難くありません。ただ、売れないような魅力のないデザインをコピーしても意味は無いこと。ある意味(皮肉にも)このデザインが優れているひとつの証拠なのでしょう。
デイジーの花言葉は「純粋(purity)」や「無邪気(innocence)」など。純潔を意味するのでヨーロッパでは花嫁の冠として使われることもあるそうです。
残念ながら日本においてこのデザインはinnocence(無罪)とはいかないようですが、ここ日本にいても当時の贋物をみないということは、本物の力が結局勝ったのかも知れません。デイジーシリーズ、日本だけでなく北欧でも大変な人気があります。今回プレートとコーヒーカップがまとめて入荷しました。
まずはプレートをアップしましたので、よろしければご覧ください。
Figgjo Daisy ケーキプレート
コーヒーカップは来週あたりにアップします。
ミタ

追伸:
ご存命のうちに再評価されるとはご本人もさぞ嬉しいことでしょうね。実はトゥーリさんの日本での回顧展と本人の来日が実現しないかと思っているのですが・・・。日本でもこんなにファンがいるということを、お元気なうちに知ってもらいたいのです。

今日は意識的にノルウェーのお品を取り上げました。背景にあるポットもノルウェーのものです。美しく可愛らしいノルウェーの製品をご覧くださいね。

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天真爛漫な白い花」への4件のフィードバック

  1. トゥーリさん、さすがのファッションセンスですね。アバンギャルドなのに素朴な温かみがある。バッグの2本掛けもステキ♪おシャレやなあ。

  2. >>k7さま
    服装も髪型もおしゃれですよねー!私もあんな70代になりたいです。
    でも私がやると「あのばあさん、美容院の途中で逃げたんちゃうか?」とか言われそう・・・。

  3. わたしはトゥーリさんの若若しさに圧倒されてしまいました。見る人を優しい気持ちにさせてしまうLotteちゃんや、意外な色あわせなのに載せるものとけんかしないどころか、より美味しそうに見せてくれるところなど、大好きです。動画で彼女が感慨深げに眺めていたモノトーンの食器たちも素敵♪いつか本当に日本に来て欲しいですね。

  4. >>andymomさま
    トゥーリさんは今も作品のイメージを裏切らないですよね。Lotteちゃんも優しい色使いながら、けっこうお転婆っぽいポーズが若々しい雰囲気の本人を彷彿とさせます。
    我こそは、というスポンサーが現れてトゥーリ展が実現しないでしょかね・・・。

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