メーメー子羊の可愛い食器

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おはようございます。
アイルランドに住んで、まず違和感を感じたのが、パスタもカレーもナイフとフォークで食べるところでした。しばしば北欧に行くようになって、観察する機会が増えると、北欧の人もパスタもカレーもナイフとフォークで食べているではないですか。
そこで「カレーならスプーンで食べた方が簡単じゃない?」と尋ねると、もじもじしながら「だって、そんなの子どもみたいで恥ずかしい」と。どうも、ヨーロッパでは両手でカトラリーを持って食べるのが大人の証のようです。
その証拠のようなカトラリーがあります。デンマークのデザイナー、カイ・ボイスンによる子供用カトラリーセット。プッシャーと呼ばれるT字型のものと、持ち手が輪になっているスプーンとの2点セットです(ただし、日本では先割れスプーンと3点セットになっている場合が多い)。

ベビープッシャー
ベビースプーン


これがそのプッシャーとスプーンです。日本では多くの人がプッシャーは親が赤ちゃんの為に食物を潰す道具と思っているようです。また、販売店でも間違ってそのように説明されていることがあり、販売側の責任を問いたいのですが、これはそのための道具ではありません。

そもそも潰すものなら名前はプッシャー(押すもの)ではなく、マッシャー(潰すもの)でしょうし、大人用の大きさであるべきですよね?
“Child’s food pusher”と英語で調べていただけると分りますが、プッシャーとは
「まだナイフとフォークをうまく使えない小さな子どもが、ナイフ代わりに食べ物を“押して”フォーク、あるいはスプーンに乗せる道具」
と説明されています。つまり、小さなときから両手でカトラリーを使う訓練をするのですね。いわば、日本における子供用の練習箸でしょうか。
さて、欧米で子供用食器セットは、プレート、ボウル、マグの3点セットが基本です。ボウル、マグに比べるとプレートは多くの場合、使用傷が多く、良い状態で残っているものが少ないです。そりゃあ、こんなカトラリーで不器用にガシガシこすられては傷も付くでしょう。日本の様に箸で食べるのとは食器の受難度は大違いです。また乱暴に使うためか、3点セットで残っている場合も少なく、大抵何かが欠けています。

今回まれなことに、ノルウェーStavangerflintから大変愛らしい子供用の食器が3点揃って入荷しました。男の子と女の子、そして羊です。シリーズ名は”Bæ. bæ, lille lam(メーメー子羊)”。プレートで子羊を捕まえた2人、マグでは(写真に写っていませんが)男の子が大きな刈りバサミを手にしています。そしてボウルではついに丸裸にされた子羊と靴下を編む2人。
温かい靴下を手に入れる2人を、毛が無くなりすっかり寒くなった子羊が恨みがましそうな目で、ジットリ見ていますね(冗談です)。

イラストはGro Pedersen Claussen(1941年- )。1963年から1967年までStavangerflintにデザイナーとして所属し、以降はフリーのデザイナー、またテキスタイルメーカーのデザイナーとして2006年まで現役で活躍していました。
彼女の描く人物は、アーモンド形の大きな瞳を持ち、色使いに独特な愛らしさがあります。Stavangerflintにおける所属期間が短く、作品があまり無いのですが、例えば”Ud Efter Ol”シリーズが知られています。が、なんと言っても子どもの姿が本当に可愛らしい。
そのGroの本領発揮ともいえる子供柄の子供用食器シリーズ。せっかく3点揃って入荷なのでセットで販売したいと思っています(未定ですが)。
ミタ

スパゲッティをナイフで切ってフォークに乗せて食べるのですが、私はこの方が食べづらいです。やはり子どものときからの訓練で慣れているんですね。次は対抗して箸で食べてみようかな?

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