おはようございます。今朝は6時半に起きましたが、あまりの日差しの強さに8時近い時間かと思って少し焦りました。
さて、こちらはそんな光の強烈な夏にふさわしい、涼しげな水色ガラスのNuutajarvi Floraボウルです。
このFloraシリーズはフィンランド最古のガラスメーカーNuutajarvi(ヌータヤルヴィ)でデザイナーOiva Toikka(オイヴァ・トイッカ)が1966年に発表したものです。このFloraシリーズはヌータヤルヴィのヒット作となり、同社がIittala(イッタラ)に吸収合併されたのちも継続され、1991年に製造終了となりました(2002年に限定で復刻)。
当初はKastehelmiと同じく、プレスガラスでタンブラーが作られましたが、上手くいかずすぐに取りやめ。吹きガラス手法に変えたところ、この繊細な軽さを作り出すことに成功し、その後はタンブラーに限らず様々なアイテムが作られました。
さて、このFlora(フローラ)シリーズ、世界的なヒットのためコピー品も多く出回るという残念な事になっています。以前ディーラーさんからはアメリカでコピーが作られたと教えてもらいましたが、調べてみると東南アジアでも生産され輸出されているようです。
今回あらためて調べた過程で、いくつかのサイトでコピー品を間違えてFloraとして記載しているところを見つけました。
こちらはデンマークで見つけた、そのコピー品のひとつ。この場合は色が明らかに違うのですが、フォルムだけ見たら区別がつかないくらいそっくり。これがもしクリアなら、パッと見では分らないかもしれません。
そして、困ったことにクリアのコピーも多く作られています。
では、コピー品をうっかり購入してしまわないためには、どうすればいいのか。
それには基本的な商品の知識を頭に入れることかもしれません。
まず色ですが、クリア、ライトブルー、ダークグレー、ヴァイオレット、ダークブルーの5色が作られています(カラーは1978年で生産終了、それ以降はクリアのみ)。ですので、それ以外の色はコピー品の可能性が高いです。
アイテムはボウル、グラス、タンブラー、プレート、ピッチャー、花瓶がそれぞれ数サイズ、それにチーズカバーの29種類が作られたそうです。ちょっと書き出すのが大変なので、詳しくはこちらのIittalaのサイトでご確認ください。
→Flora, Fauna and Pioni
けれども色はともかく、それら全部の形を覚えきるのは、なかなか大変。ひとつは「これはレア」と説明されたら「本当はレアなのではなく、単に贋物なのではないか」と疑うのも有りなのですが、実際に滅多に見つからないフォルムもあるので、ややこしい。過去に多くを扱っていて商品知識がしっかりとした、信頼できるお店で購入するのが安心かもしれません。
それにしても、このグラス、本当にそっくりで「もしかしてカルティオの色でちょこっと作ってみたんじゃないの?」という気がしてくるのですが、良く見ると底がかなり厚くて均一ではないんですよ。写真をクリックすると拡大するので、分ると思います。
違いを見ると、なるほど輸送泣かせのFloraの薄い仕上げって、結構すごい技術なのねえ、とあらためて知ることになるのです。
ミタ
以前も書きましたが、私は商品説明に「レア」「珍しい」を余程のことでも無い限りは使わないようにしています。全ての生産数、流通数を把握しているわけではないので。自分がたまたま今まで出会わなかったり、たまたま市場に出回っていないだけかも知れませんから。取り扱っている品に関しては出来るだけ謙虚に接するように心がけています(と自分に言い聞かせています)。
Nuutajarvi Floraシリーズは曲者ですよね。ガラス屋なもので、昔から集めているのですが、それはそれはまがい物が多いです。自分のコレクションの中にもいくつか?マークのつくものがあります。つくっているものでも見分けがつきにくい精巧なものがけっこうあります。
>>もりくまちゃんさま
こんにちは、参考になるお話をありがとうございます。そうなんですか、ガラスのプロでも見分けが付かないなんて、益々困惑しちゃいます。
実は文中のディーラーさんも過去に贋物を仕入れてしまった事があるそうです。私もうっかり買い付けないように、見る目を養って、気を引き締めていかねばならないですね。
いい記事ですね。ヌータヤルヴィコレクターですが、こいつは何だというのに、なんどか出会ったことがあります。幸い、出会ったのは、手に取れば違いがわかる精度のものでしたが、一瞬、自分が知らないレアモノだと思ってテンションが上がるのもまた切ない。売っている側もフェイクだと知らないこともあって、さらに面倒ですね。。。
>>はさま
こんにちは。Nuutajarviコピー品はコレクター泣かせだったのですね。もりくまちゃんさまの言うようにガラスの専門家でも区別が付かない物もあるとなると、販売側が気がつかない事は珍しくないのかも。
レアと思ったら疑う、がひとつの自己防衛方法でしょうか・・・。確かにこれは面倒です!
ミタさんのtwitterを見た時、ドキッとしました。ウチのFlora15cmボウルなんかボンヤリしているように思えてアヤシイ。ま、そのボンヤリ具合も気に入ってるのでこの夏は気兼ねなしでじゃんじゃん使いまくろうと思います。
>>k7さま
ボンヤリしているのですね・・・。
タンブラー、ピッチャー、デザートボウルサイズにまがい物が出回っているようです。15cmのボウルなら、本物ではないかと思いますよ!
でも、じゃんじゃん使うのは賛成です♪
いつも楽しく読ませていただいてます。
だけど、今回の記事はちょっと脱力しましたΣ(゚д゚lll)
だって、他のお店でフェイクが売られてるっていうし、ミタさんもだまされちゃうかもしれないから気をひきしめなきゃと書いてるし、
ビンテージ食器を楽しむのは素人だとダメなかしらと、怖じ気づきました(´Д` )
でもコメントされてる玄人さんにはおもしろい内容なんですよね、きっと。
>>あれれさま
そうですね、こんな記事を見てしまうと怖くなっちゃいますよね。特に陶磁器と違ってガラス製品はコピーしやすいのでしょう(ごくまれに陶磁器のフェイクもみますが、明らかに稚拙です)。
とはいえ、ガラスのフェイク品も現地と日本の二重のディーラーの目を通しているので、現地に比べると、日本での流通数は少ないものです。
少し気をつけるポイントが分っていれば、怖がることはないですよ。ビンテージ品を選び、所持するのはいいものです。フェイクを恐れて、ビンテージ品を持つ楽しさをやめてしまうのは、ちょっと惜しいかもしれません