WWF x Arabiaのアザラシ

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こんにちは。
今日は随分と冷え込むそうで、予報では東京は12月半ばの寒さとか。
寒いといえばアザラシですよね♪
ふっくらとした真っ白な体と、まるで大きなビーズのような真っ黒な眼とのコントラストは、誰もが可愛らしいと思わずにはいられません。ちなみに全ての種類のアザラシの赤ちゃんがこのように白いわけではなく、これはワモンアザラシの特徴です。
ワモンアザラシは北極圏、主にスカンジナビアに分布し、亜種のバルチックワモンアザラシはスウェーデンとフィンランドの間のバルチック海に分布しています。そのバルチックワモンアザラシは1000頭未満と、絶滅の危機にあるそうです。
1980年代ごろに、そのワモンアザラシを含む絶滅危惧種フィギュアシリーズをフィンランドのアラビア社が製作し、その売り上げの一部はWWF(世界自然保護基金)に寄付されました。
デザインはスウェーデンのデザイナー、Lillemor Mannerheim-Klingspor(1927年-1994年)です。1945年にストックホルムの美術学校で学んだ後、1950年から1952年までパリの美術学校に留学しました。その後、スウェーデンのGefle社、Rorstrand社で働き、フィンランドのアラビアにもデザイン提供をしています。
代表作は色々とあるのですが、特に動物のフィギュアが知られています。WWFのデザイナーに選ばれたのもその実績からでしょうか。このWWFシリーズですが、調べてみたのですが、どうもはっきりとは年代が分かりませんでした。バックスタンプはアラビア社で1981年から今も使われているものですので、これでは判断が付きません。

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ただ、WWFのロゴ、パンダの形からある程度推測できそうです。
手前の少しくたっとしているパンダは1974年から使われていたもので、奥のしっかりとした方が1986年から使われているものです。ということは、手前は1980年代前半、奥は1980年代後半の製造となりますね。
→Arabia WWF アザラシの子ども (1980年代前半)
→Arabia WWF アザラシの子ども (1980年代後半)

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アラビアのWWFのシリーズはTeemaのマグにもあります。先月、そのWWFシリーズの中から、これもアザラシの柄のものが2個入荷しました。Pekka Paikkariのデコレートです。こちらもはっきりとした年代が分からないのですが、1986年に新しくなったWWFのロゴは2000年にまたデザイン変更がされています。このロゴは1986年から2000年までのものですので、それを信じるとすると、少なくとも10年前のものでしょう。それにしては随分と状態が良くて驚きました。あまり使っていなかったのでしょうか。
そのワモンアザラシですが、子育てはたったの3週間。その間に子どもは一日2キロずつ体重を増やし、充分に脂肪をつけた子どもを氷の上に残し、母親は海に帰ってしまいます。やがて氷が溶けて子どもは自然に海に入っていくとか。
ところが、地球温暖化の影響で氷が早く溶け、充分に脂肪を付ける前に海に落とされ飢えと寒さで死んでしまうことが起こっているのだそうです。

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WWFの2008年の声明によると「一部の地域では、過去数週間に生まれた子どもが1頭も生き延びることができない恐れもある」とあり、特にフィンランド南西沿岸のフィンランド湾とリガ湾に住むアザラシが危険な状態にあるとか。
←フィンランド湾とリガ湾の位置はこちらを参考になさって下さい。クリックすると拡大します。

このフィギュアが作られた時代から更に事態は深刻になっているようです。
これから、どんどんと気温が下がると暖房機器にお世話になる機会も増えるでしょう。そのとき、ちょっとこの愛らしい瞳を思い出すと設定温度を考えるきっかけになるかもしれません。

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