555の謎

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おはようございます。
写真はドイツWaldsassen(1886年-1994年)のビンテージコーヒーカップです。このメーカーの1960年代、1970年代のものはフクヤでも人気が高く、もう残りが少ないのですが、もしご興味があれば下記リンクからどうぞご覧下さい。
→Waldsassenのアイテム
今回も大変愛らしいものが入荷しました。ドイツや東欧物はパターンが切り絵の様に単色で表現されているものが多いのですが、こちらは珍しくグラデーションがかかっています。
良く見るとそのグラデーションは、色そのものを変化させているわけではなく、一段階濃い細かな点で表現されていることに気が付きます。その影の効果でパターンに深みと面白みが加味されていますね。
ちょっとアールデコの雰囲気もあるおしゃれなコーヒーカップです。こちらは奥にあるフィンランドから運んできたガラスのケーキドームと一緒に7月1日にアップしますね。
ポイント2倍のドイツフェアは7月1日までで、このカップも対象です。もしご興味がありましたら、7月1日中にお求めになるとちょこっとお得ですよ。
→ドイツビンテージフェア

さて、このドイツ製のカップはスウェーデンで求めてきました。面白かったのは、ソーサーの裏を見ると写真のシールがついていたことです。

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ここにある「VDN P555」とは1951年から1973年までスウェーデンで使われた品質保障マークで、食品や日用品、動物の飼料にまで及ぶ品に100規格で義務付けられました。
陶磁器にも表示を義務付けられたのは1960年代に入ってから。ですので、このマークのついている陶磁器は1960年代から1970年代初めまでのものと分かります。

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写真では分かりにくいのですが、この通り、その時期に作られたスウェーデンのメーカー、Rorstrand、Gefle、Gustasbergにはロゴと一緒にプリントされていますね。
“VDN”とは”Varudeklarationsnämnden”の略です。この意味が良く分からなかったのですが、直訳すると”宣言委員”??
555の数字の前についているアルファベットは材質を表します。
B=benporslin(ボーンチャイナ)、 F=flintgods(フリントウェア)、 P= fältspatporslin(長石)、 S= stengods(ストーンウェア)。
フリントウェアというのが今ひとつ分からなかったのですが、イギリスから来たストーンウェアにカオリン鉱物を混ぜて軽くしたもの(大きなものでも扱いやすくするため?)だそうで・・・ますます分からないですね。
そして、数字の”555″は、”貫入のリスクなし”、”あらゆる食品に使用可能”、”75度の食洗機対応”という3点を保障しています。全てにおいて五つ星ということなのでしょうか。
このWaldsassenは”P555″、写真のロールストランドは”F555″、グスタフスベリは”F555″、ゲフレは”V555″・・・え?
V?
それはさておき(追求無しでお願いします)、このWaldsassenはドイツから誰かが持ち帰ってきたと言うよりも、30、40年前にスウェーデンに輸出されたものと思う方が自然です。
ドイツで製造されていますから、当然スウェーデンの品質保証マークをプリントすることなどしていません。そこで、シールで対応したのでしょう。
何が面白かった、というと当時スウェーデンは輸入品にもこの品質保証マークを義務付けていたのだろうと、考えられるところです。これはちょっとした発見でした。
ソーサーには小傷がありますが、全体的には良いビンテージコンディションです。ケーキドームともども、よろしくお願いします。

ミタ

デンマークのディーラーさんから先日のサッカー”日本対デンマーク戦”についてメールが来ました。昨日のミエちゃんのお母さんとは別のディーラーさんです。
彼女が言うには「夫が激怒している」そうで、「日本に対してではなくて、デンマークに」

「過去の栄光だけの
ボールも蹴れねえような
年寄りばかり出しやがって!
恥だ!バカだ!」

ということでした。

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