おはようございます。
棚の整理をしていたら、Arabia定番モデルのSモデルに絵付けをした、Anemone、Rosmarin、Ruijaのコーヒーカップが揃っていたので、面白く、並べて写真を撮ってみました。
このSモデルとは、1961年にアラビアのデザイナー、Ulla ProcopeがRuska(フィンランド語で「秋の葉」)のためにデザインしたモデルです。
Ruskaシリーズは1999年まで途切れることなく生産された、アラビアでもっとも売れたシリーズなのですが、フクヤでは取り扱いがありません。と、いうのも和食器を思わせる、自然な釉薬の色の変化を特徴としているこのシリーズ、和にも洋にも合い使いやすいのですが、この「自然な釉薬の色の変化」が曲者。なにしろ、5客入荷したら、5客とも色や雰囲気が異なるのです。
昔アルバイトしていたネットショップでは、サイトにアップする為に入荷した全商品の写真を撮らなければならず、またお客様からも「選びたいので」と至極もっともな理由で、裏表全面の写真をリクエストされることもしばしば。これは、ネット向きの商品ではないなあ、とその時つくづく感じました。
ですので、フクヤが実店舗をオープンするときまで(いつ?)、取り扱いは保留になっています。どうかそのときまでお待ちくださいね(だから、いつ?)。
さて、このモデルの特徴としては、ひとつに磁器であるということ、だそうです。先日、金沢に旅行したときに九谷焼の説明を受けるまで、陶器と磁器の違いがよくわかっていなかったのですが、陶器とは「陶土」から作り、磁器とは「陶石」を砕き作った「石の粉」から作ったもの、ということでした。
このSモデルはとても厚みと重みがあり、磁器というと薄く繊細なイメージがあったので、不思議に思っていましたが、なるほど、材料の違いだったのですね。磁器の特徴は、非常に硬く、表面が滑らかで、叩くと高い金属音がするのだとか。
さらに、このSモデルに絵付けをしたシリーズの特徴は、絵が釉薬の下に描かれていることだそうです。そのため、柄が落ちにくくなっています。北欧では食器洗い機が早くから普及していたため、ヴィンテージの柄の色落ちが激しいのですが、このシリーズに柄がきれいに残っているのはそんなところに理由があるのでしょう。
ちなみに、アラビアでは2002年(あるいは2003年)に手描きの絵付け部門が廃止になりました。おそらく、人件費などで採算が取れなかったのではないかと推測しています。
と、言うのも以前アラビアの方が「廃番になる一番の理由は、金銭的な問題です」とおっしゃっていましたから。(ほかにも技術的に難しい、などあるそうです。Teemaのピンクはどうしてもムラが出来るので廃番とか)
絵付け職人を育てるには、それなりの時間や指導者が必要なはずですから、一旦中止されると再開までまた時間がかかることでしょう。このような手描きで絵付けされたシリーズが再び作られることは、いつになるか。
硬く丈夫で、厚みがあるため保温性も良い、実用的なこのモデル。さらに、もう同じようなものが作られることの無い手彩色されたシリーズです。ちょうど、今なら色々揃っているので、良かったらちょっとサイトを覗いてみてくださいね。
ミタ
ちょうど今放送されているNTT DocomoのCMで堀北真希さんが使っているのが、Sモデルのティーカップ。絵柄はKoralliです。今フクヤにはKoralliのコーヒーカップが入荷しています。
ドコモ CM(早く見ないと、削除されるかも)。
ところで掘北さんは美大生という設定なのですね。
美大生にしては、ずいぶんと服装がきれいで・・・。ということは彼女は、デザイン科に違いない!