こんにちは。今日、東京はずっと雨です。一瞬の雨の切れ目を狙ってこの写真を撮ってみました。
これは北欧から来た、ガラス製の灰皿。1960年代の作品で、作者はエリック・ホグラン(1932-1998)。スウェーデン、ボダ社(現コスタ・ボダ)製です。
洗練されたイメージの北欧グラスウェアーの中において、時にはprimitive(原始的)とも評される彼の作品は異色を放っています。このモチーフも、まるでスペイン アルタミラの洞窟壁画を思わせる牛の姿。
日本ではあまり知られていませんが、スウェーデンでは150以上もの公共物のデザインを手がけた人気作家で、25歳の時に北欧デザイン界のノーベル賞と呼ばれるルニング賞を受賞した彼のことを、”enfant terrible(恐るべき子ども)”と評する人もいます。
こちらの灰皿は、柔らかく溶けたガラスにぎゅっと型押しをしたような作りになっていて、縁の部分は自然に型の周りに押し出されたように不均一な波を打っています。
無作為のなかから生まれたような表現は、気泡やヨレ、汚れの巻き込みもそのまま味となり、何かを訴えかけるような力強さがあります。
この無作為性がそのまま作品の強みとなり、中世的とも、原始的とも、いつの時代か分らないような雰囲気は、心の奥にある基本的なものを呼び覚ましてくれます。
ふとある時代に手を差し込んで取り出したような、時間や空間を越えたデザインは、手元に置いてもいつまでも飽きのこないオブジェとなるでしょう。
厚くどっしりとしているので、灰皿としてではなく、ペーパーウェイトとしても使えるのではないでしょうか。もちろん飾って見てるだけでも素敵ですよ。
ミタ
高校生くらいのとき映画”恐るべき子供達”を観ました。小説を読んで想像していたポール少年役が結構いい年の青年(コクトーの恋人 公私混同ですね)で、下着が黒いビキニパンツであったことが一番印象に残っています。黒じゃないかも知れませんけど・・・白黒映画ですから。