夢は世界を駆け巡る



こんにちは。先日パスポートを更新してきました。
15歳のときに初めて作ってから、いつの間にかもう5冊目。昔は一次旅券といって、一回だけ有効のものもあったのですが、今はなくなりましたね。それだけ海外に行くことが珍しくなくなったのでしょう。
私の父が45年位前に取ったパスポートを今も持っていますが、表紙が皮張りで高級感があり、当時いかに海外へ行く人が珍しいものであったか分ります。
同じく40年くらい前に、叔母が通っていた女子大主催の旅行でヨーロッパへ行ったときは、なんとスーツにハイヒールで機上。スーツケースには振袖を入れていったというのですから驚きました。
叔母の説明によると、当時は全員が自分達は日本人の代表だというくらいの気概で臨んだそうです。
今よりもずっと時間がかかる旅、スーツ姿ではさぞかし窮屈だったでしょうね。
現在は短くなったとはいっても、今だ欧米へは10時間以上の空の旅です。いくらゲームやり放題でも、機内で過ごす窮屈な時間を思うと、憂鬱になるのですが、しばらく日本にいるとまた出かけたくなります。
なにがそうさせるのか。違う文化への憧れなのでしょうか。
北欧の人たちも、まったく違う南国への憧れは強く、南国をテーマにしたような作品がよく見られます。
Marimekkoのマイヤ・イソラの1970年代の一連の作品もしかり、Gustavsbergのスティグ・リンドベリにもタヒチというデザインがあります。
この、写真のArabia Valenciaシリーズもその一つ。その名もずばりスペインのバレンシア地方の名です。この地は昔から焼き物が有名で、当地のマニセス焼きに、Arabia Valenciaに良く似たものが見られます。
manises.jpg

こちらはそのマニセス焼きのアンティーク。
このコバルト一色で描かれたパターンは、ほとんどValenciaと同じに見えますね。
ウラ・プロコペが実際にスペインへ行ってヒントを得たのか、それとも暖かいスペインを夢見てデザインしたのか定かではありませんが、いずれにしても自分達とは違う文化への強い憧れを感じます。
バレンシア地方はイスラムの影響が色濃く残り、ヨーロッパとはいえアジア風の独特な装飾文化を形成しているのが特徴です。同じくアジア風でもあるこのシリーズ、和食にも良く合いますよ。
この写真のカッティングボードはカップやプレートよりも早く、1980年代に製造中止となった一つです。

ミタ
その昔、真夏にバレンシア地方に行くという間違いをおかしました。あまりの暑さで頭痛と吐き気がし、イライラして家人と喧嘩になりました。二人の絆の強さを確かめに行くのにお勧めします。

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