映画「ストックホルムでワルツを」でビンテージの魅力を堪能(その1)


「好きな映画のジャンルは?」と尋ねられ「人情もの」と答えると「寅さんみたいな?」と返され返答に困ってしまいました。”男はつらいよ”は一作も観たことが無く、良く分からないからです。
それからは、好きな映画のジャンルを聞かれると、こう答えています。
1、悪い人が出て来ず
2、主人公の愚かな過ちや考えの足らなさで困難に陥るけれど
3、最後はハッピーエンド
な映画です、と。
もちろん、ほとんどの映画では登場人物に課題が与えられ、それを乗り越える過程が描かれることを思えば、大抵は当てはまってしまうのですが、そこに悪意のある人物が登場したりバッドエンドは観終って辛い。困難は仕方なく主人公が引き起こし、成長することで解決して欲しいのです。
さて、台風18号が上陸した6日、ご招待いただいた11月公開のスウェーデン映画「ストックホルムでワルツを」鑑賞のため六本木へと行って来ました。
公式サイトはこちら→【公式サイト】映画『ストックホルムでワルツを』
ひと言でいうと正にドンピシャ、私の好きなジャンルの映画でした。
主人公は60年代に活躍したジャズ歌手のモニカ・ゼタールンド。日本では知名度は低いものの、亡くなった今でもスウェーデンでは厚いファン層を持つ人気歌手です。
60年代当時、英語で歌うことが常識だったジャズをスウェーデン語で歌い、一躍スターダムへと登り詰めます。実際に歌手であるモニカを演じたエッダ・マグナソンの歌うジャズの名曲の数々は音楽ファンにはたまらない魅力でしょう。
この映画でモニカが乗り越える困難は、もちろん音楽的な成功、そして主に父親との確執です。
家庭を二の次にして仕事を優先するモニカに父のベントは「成功するわけがない」と厳しく当たります。けれども、娘を憎く思っての事ではないのが分かるのは、モニカが一人娘エヴァ=レナへと向ける愛情、そして父が孫娘のエヴァ=レナを心から可愛がっている様子から、モニカ自身も子供の頃は同じようにたっぷりの愛情を受けて育ったのが見えてくるから。
若い頃にミュージシャンを目指していた父は、娘には自分と同じく夢が破れて挫折し、傷ついて欲しくないという思いがあるのでしょう。一方で父に認めて欲しいモニカはどんなに成果を出しても否定されることで逆に傷つき、やがて私生活も荒れていきます。
終わり近く、父が電話越しに「自分が見られなかった景色を見せてくれた」とモニカを認めるシーンは映画のハイライト。
この映画を観ていて感心したのは脚本の上手さです。前半部分にある短いモニカと父の会話で、二人の関係、過去、テーマとなる課題(父との確執)がすんなり分かる。後半部分で父がモニカを非難するために持ち出した子供の頃の木登りのエピソードがラストの和解へと繋がっています。
モニカのように頑張っているのに認めてもらえない体験は、大なり小なり誰しも持っているのではないでしょうか。この映画の魅力は、そんな誰もが感情移入できるストーリー、そして心地よいジャズの歌声に加え、60年代を再現した衣装やインテリアの素晴らしさです。
特に私は映画の中で使われている、グスタフスベリ、ロールストランド、ウプサラ・エクビィ、などなどの食器やキッチン用品に目が釘づけ!
ストーリー紹介が長くなったので、これらについては明日、ということで、どうぞお楽しみに。
ミタ
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