前回のロールスト博物館のブログを読み返すと明らかに最後は失速気味。まあ、だらだら続けて書いていても面白くないので、次に行きます。
最初に書いた通り、ここは博物館だけでなく、イッタラアウトレットショップも併設された複合施設となっています。いや、むしろアウトレットショップの方がメインかも。
私は以前から興味のあるシリーズがあり、この機会にアウトレットで探してみました。それは1932年から現在までロングセラーを続けているロールストランドのOstindia(オスティンディア)シリーズを近年新たに Caroline SlotteとAnna Lerinderがデザイン展開をしたOstindia Floris(オスティンディア フロリス)です。
ちなみにオスティンディアが生まれた背景は面白く、1745年に中国からの帰還途中に沈没したスウェーデンの東インド会社の貿易船「Götheborg(イェーテボリ)号」から引き揚げた積荷からデザインのヒントを得たとか。積荷の一部の陶磁器がロールストランドの倉庫に保管されていたのですが、それを見つけた当時のマネージャーKnut Almströmの妻Emmyが「これで何か作るべきじゃない?」と提案したのがきっかけだそうです。
新作のOstindia Floris(オスティンディア フロリス)は、写真で見るとオスティンディアよりも更にアジアの趣があり、和食にも合いそうな雰囲気でありながら、どこか洋のイメージも併せ持っているのが素敵でした。
ところが、あれだけ古い作品展示の後で手に取ると、なんとも”きれい過ぎる”ような気がして、買うに至りませんでした。本当に魅力的なデザインなんですけれどね。もうしばらく悩もう。
さて、博物館にはカフェも併設されています。ビュッフェランチで85クローネ。
メインはコールドミール。サラダ、パン、チーズ、コーヒーと紅茶。プレートが全てロールストランドのスウェディッシュグレース。このシリーズはオスティンディアよりも長く、1930年からのロングセラーです。
メニューは曜日で固定されていて、この日はローストポークでした。お皿には緑、ピンク、白と全部色を変えて選びました。こういう贅沢な揃え方は家ではできないので楽しいですね。
コーヒーは新作の黒のスウェディッシュグレースで。
このパンはカフェの名物らしく、レシピを書いたポストカードと材料セットも販売されていました。パンと言ってもイーストではなく、ベーキングソーダで膨らませる、ソーダブレッドの一種。スウェーデン語で「Drömstadslimpa」といい、直訳すると「夢の町パン」。ヒマワリや亜麻の種、そしてリンゴンベリーが入ったほんのり甘いパンです。美味しくてお代りをしてコーヒーと一緒に頂きました。
博物館のあるLidköping(リードヒェーピング)は古い木造建築の並ぶ大変に愛らしい街です。
趣のあるメインストリートの看板。
最近刊行されたスウェーデンのビンテージについての本を書店で購入すると、店主らしき年配の男性に「こういうのに興味があるの?」と尋ねられ「はい」と答えると「私はロールストランドに勤めていたんだよ」と返ってきました。彼も2004年の工場閉鎖で大量解雇された一人だったのか、あるいはもっと前に働いていたのか。この街はロールストランドと共に発展したのかも知れませんね。
夏はこの街にあるスウェーデン最大の湖、ヴェーネルン湖にリゾートに訪れる人が絶えないようです。
私が行った5月はまだシーズンには早く、人気がありませんでした。ヴェーネルン湖はヨーロッパでも3番目に大きい湖で、対岸は見えず、まるで海のようです。
水遊びには早い季節ですが、満開の菜の花は楽しめます。
どこまでも続く菜の花畑に圧倒されるような、5月のスウェーデンでした。
ミタ
LidköpingではB&Bに宿泊しました。朝食の時のお皿とエッグカップがロールストランドのビンテージ、マグがアラビアのビンテージでした。
宿主の老夫婦が数十年前に新品で買ってそのまま使っているのでしょう。エッグカップはJaponica(1977-1982)、プレートはGrön Anna(1966-2002)。
Grön Annaは長く作られましたが、バックスタンプを見るとVDNマークがあるので、1972年以前のものですね。
フクヤのオリジナルコーヒー。北欧のシーンに合わせて選ぶ3つのブレンド。
いつも楽しく拝読しています。
私は日本とスウェーデン間の移住を繰り返して十数年、現在はスウェーデン在住中なのですが、Fukuyaのミタさんがロールストランド博物館に行かれたという記事を読んで、遂に!初コンタクト(コメント)です。
(でもコンタクト先が分からず、ブログのコメント欄に書くことに…もしコメント表示をされるのでしたら、長くなりましたので内容を抜粋して掲載して頂いて結構です。)
と言うのも、
ミタさんは買い付け旅行では新しい人との出会いも大事にして行きたい、楽しみにしている、と言うような事も書かれていたので、去年の夏頃、私は漠然と
「あーミタさん、次回買い付け時はうちにも寄ってくれないかしら」
などと考えておりました。
電車でもE20での車での移動でも、何れにしてもうちはストックホルムとヨーテボリや南方との主要移動線上に位置するので、立ち寄ってもらうにはそれほど苦じゃない…
などと勝手に妄想に走りだしてしまい、でも都市間の移動はやっぱり2000(高速列車)かしら、だったらやっぱりわざわざ途中下車してうちに寄ってもらうほど何かここに楽しいことがあるわけじゃなし。
…と膨らんでいた妄想は今度はしぼむ一方、そうしている間に、今回の買い付けレポートにミタさんがロールストランド博物館に行かれたとあり、私は決して近くはありませんがそこから車で1時間半弱のところに住んでいるので(ミタさんのスケジュールは別として)立地的にはお立ち寄り頂けたかも?!とこちらをあとの祭りよと読んだところなのでございましたw
そういうわけで、私にとっては今回のミタさんのブログが、過去抱いていた自分の妄想と現実とのパラレルが面白い、読んでいて楽しいものとなりました。
私もヴィンテージ・kuriosaが好きで、Loppis巡りこそが今のところスウェーデンでの暮らしのあらゆるストレスの唯一の解消法となっています。(実はこれらの集まった食器類を日本向けに売るお店をそのうち開くことになりました。本業がある上にほぼ育児に追われて髪を振り乱しているだけの生活を送っているので、お店と言っても趣味の域を越えられそうにありませんが、それ以前にFukuyaさんとは同業となってもとてもじゃありませんがライバルにはなれないので…今後ともfukuya通信のファンの一人としてよろしくお願いしたいところです!(*^^*))
沢山の素敵な食器類にフツーに囲まれて育ったような義母に誘われ、私も去年の夏ロールストランド博物館へ(子連れで(´Д` ))行きましたよ。
その時は、こちらのカフェレストランで、トリプルのアイスクリームを買えばそれを入れている器(スウィディッシュグレイスの小鉢)をそのままプレゼント、という企画をやっていましたが、今年はどうだったでしょうか。
私は「アイスが入っていたまさにその器を?洗ってくれるの?それに色は是非選びたいのだけど。」とウジウジ考えているうちに、やはり連れていた子供達が色んな意味であだとなり、アイスクリームの購入には至りませんでした。
ちなみにヴェーネルン湖、
大きいだけあって水温が低いです︎!
真夏日にも関わらず(と言っても相変わらず湿度は低いのですが)寒いという思い出しかなかったため、一度行ったきりなので正確には言えませんが、一応、共通認識的にこちらでもそのように言われているようです。
それに加え私個人の体感温度がまさに低かったはずで、九州育ちで夏は海水浴の日々だった私にとっては、水温を上昇させるには浅瀬が少ない湖水浴では、水風呂に入るも同然、なにを好んでガタガタ震えながら泳がなければならないのか。
主人の実家の目の前は一面湖でそちらは大きくはありませんが(小さくもない)、毎年夏になると受ける義母からの毎晩の湖水浴お誘い攻撃、それをうまくかわすのに少しだけ苦労している日本人嫁です。
長文、失礼しました。
>>エマさま
こんにちは、楽しい書き込みをありがとうございました☆
ヴェーネルン湖の反対側の街に友人が住んでいて、いつか遊びに行きたいなあと思っています(ヨーテボリで待ち合わせて会ったので、行ったことがありません)。なかなか、そっち方面を訪れるチャンスはないのですが、その時はご連絡しますね!ではでは、開店を楽しみにしています。