優しい7月の誕生花、ロータス柄のプレート

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こんにちは、今日から7月ですね。フクヤのオープンは2006年の7月9日、今月ようやく6周年を迎えます。お客様のなかに同じ誕生日という方もいらっしゃり、また一緒に誕生日を迎えますね。
7月の誕生花は「蓮」だそうです。蓮の花と言うと雨に濡れているイメージがあったので、6月かと思ったら7月が見頃で夏の季語にもなっているとか。
お釈迦様の台座も蓮の花ですが、インド原産と聞けば成る程と納得します。このようにいかにもオリエンタルな花ですが、そのイメージが北欧の人をひきつけるのか、蓮をモチーフにしたデコレーションをしばしば食器に見ることがあります。
写真のプレートもその一つ。スウェーデン、グスタフスベリのLotus(ロータス)シリーズです。一見するとチューリップにも見える可愛らしいデコレーションは当時大変な人気で製造期間は1958年から1970年と12年に渡りました。可愛らしい中にもスタイリッシュさがあり古さを感じません。
また、見ていると気持ちが柔らかくなるような優しい色合いは主張しすぎず、どんなお料理にも合わせやすく、それでいて盛りつけをさり気なく引き立ててくれるのも、その人気の秘密なのでしょう。
色はこの黄色のほかにグレーが作られました。フォルムデザインはグスタフスベリを代表するデザイナー、スティグ・リンドベリ、この愛らしいデコレートデザインはビビ・ブレガー(Bibi Breger)。Bibiがグスタフスベリでリンドベリの下で働くきっかけになったのは、そもそも彼女の夫であるCarl-Arne Breger(カール=アルネ・ブレガー)が1953年にデコレーターとして就任した事でした。
ところがすぐさまカールはこの仕事に飽きてしまい、テキスタイルなどインテリア関連のデザイナーである妻のビビの方が向いていると推薦、ビビもグスタフスベリで働き始めます。リンドベリはこの夫婦を「2人のブレガー」と呼んでいたそう。
ビビは最初グスタフスベリでの仕事に満足をし、楽しんでいたのですが、やがて夫のカールと同じく「デコレーションだけなんていささか単調すぎる」とやめてしまいました。結局グスタフスベリでの所属は1953年から1957年と短い期間にも関わらず、多くの名作を生んでいます。現在彼女のデコレートと分っているもので20ほど、特に名前が付いていないものはいくつあるのか分らないそうです。このロータスは彼女の一番成功したシリーズの一つ。
ビビはグスタフスベリを去った後、夫のBreger-Design(ブレガー デザイン)社で働きます。1960年代から1970年代にかけて、カールはプラスチックを使った魔法瓶や電話、ピッチャーなどの製品を次々に世界的に成功させ”Mr Plast (ミスター プラスチック)”との異名をとる程になりました。
この成功は、デコレーションではなく、物作りをしたかった2人の本領発揮、というところだったのでしょう。ところでビビの資料をいくつか目を通しましたが、どれもグスタフスベリを辞めたところで経歴が終わっていて、Breger-Designでは夫の手助けをしたとあるだけで、具体的な仕事がどうも分りませんでした。優れたデザイナーであった彼女がカールの成功に貢献していたのは間違いないと思うのですが・・・。
そういえばフィンランドでアアルトの家を見学したときに案内の女性から「同じくデザイナーであった妻のアイノはアアルトの仕事の多くを手伝っていたがほとんど名前が出ていない。時代的なものもあり、貢献は夫の影に隠れていた」と説明を受けました。今は男女同権が最も進んでいると言われている北欧ですが、当時はそんな背景もあったのかもしれませんね。

ミタ

写真でお皿に盛り付けているのは北欧の定番ニシンの酢漬け。スウェーデンではシュナップスと呼ばれる強い蒸留酒と一緒に食べる事も多いので、シュナップスグラスを添えました。

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