フィンランド最終日7日目は清々しい青空でした。宿の周りも雪が消えつつあります。宿主のエリナさんが「やっと晴れたわね!今週は天気予報では14度まで上がるって言っていたから、それは良かったと思っていたのに、ずっと悪くて残念だったわね」と慰めてくれました。
滞在中は3月も半ばを過ぎているのに寒く、これぞ北国といった天気でした。この日はすっかりと晴れていましたが、前日までは小雨や雪が降り、ぬかるんだこの道を小学生たちが登下校で行き来していました。
その光景を見てこんなことを思い、Tweetしました。
冷たい雨の中で傘もささずに学校帰りの子供たちが雪が溶けたぬかるみの道をひたすら歩いてる。平気なのかな、と思ったけれど、違うな、我慢しているんだなと思い直す。国民性ってこうやって培われるんだろうなあ。 #フィンランド
— Fukuya北欧ビンテージ (@Fukuya_20CMD) 2017年3月22日
フィンランドの国民性を表す言葉に「シス(sisu)」があります。シスとは粘り強さや精神的な強さを表す言葉です。フィンランド人によると「例えばぬかるみにはまった車を、みんなが黙々と押し出そうとしている」イメージだそう。フィンランドの厳しい自然環境の中で培われた気質なのでしょう。
さて、最終日はもうやることも無いので、打ち上げ代わりに贅沢しようと近所のイタリアンレストランへ。イタリアに長く住んでいた、宿主のエリナさんお勧めの小さなカジュアルレストランです。
黒板に書かれたフィンランド語の「今日のメニュー」は見たところ、いつも通りの肉、魚、ベジタリアンの3種類。初めて見た、黒服にタトゥーのゴスっぽいお姉さんにメニューを説明してもらうと、肉がビーフリンドストローム(リンドストロームハンバーグ)、魚がサーモンソテー。ありゃ、イタリアンではなくなっているのでは?
今までもチョコチョコとインテリアやメニューの改変がありましたが、どうも、ついにイタリアンから北欧家庭料理になってしまったようです。店名が変わらずイタリア語のままなので気が付きませんでしたが、他のテーブルで客と話しているシェフも、小柄なラテン系の人から、大柄で金髪のフィンランド人に変わっているではないですか。
とはいえ、思いがけず以前から食べて見たかったビーフリンドストロームを頂くチャンス到来。ちなみに奥のプレート右側にある、取り放題のフォッカッチャにイタリアンの名残りはありますが、左側のフィンランドの黒パンはやっぱり北欧の味。
ビーフリンドストロームは正確にはビーフ・ア・ラ・リンドストローム(Biff à la Lindström)といい、スウェーデン料理です。フィンランドは隣国スウェーデンの影響を受けているので、フィンランドでもお馴染みの料理。フィンランド語ではLindströminpihvi(発音が…?)です。以前、スウェーデンでレトルトパウチを食べただけなので、いつかちゃんとしたものを食べたいと思っていました。
ハンバーグの色が赤いのは、血ではなく肉に混ぜられたビーツの色。カリッと焼き上げた表面が香ばしく、とても美味しかったです。イタリアンではなくなりましたが、北欧の家庭料理をリーズナブルに食べるいいレストランになりました。逆に、私には良かったかも。イタリアンは日本でも充分美味しいですものね。買い付けに新しく、ささやかな楽しみができました。
レストランの前にはイースターの花、黄色い水仙が植えられていました。フィンランドもようやく春が訪れるのでしょうか。
そんな感じで、フィンランドは終了。コペンハーゲン経由でスウェーデンへと移動します。
ミタ
オマケ。フィンランドで遭遇した犬たち。小型犬に服を着せているのは、アメリカでは良く見たのですが、フィンランドでは見ないので、珍しいなあと近づいたらしっかりとした防寒着でした。可愛いですね。