おはようございます。
昨日の26日に発売の「世田谷ライフ(エイ出版)No43」でフクヤのお店を紹介していただきました。
関東特集は「世田谷百科事典 セタペディア」で、世田谷区のトリビアから美味しいレストランまで、読むだけでも楽しく、役に立つ情報が満載です。
表紙は有名な豪徳寺の招き猫。世田谷神社仏閣紹介コーナーもあり、世田谷区民だけでなく、お散歩好きな方にもお勧めの内容です。
フクヤは「冬じたくのすすめ」のページで冬のお勧めグッズを紹介していただきました。
最初はグラニーブランケットを、というお話だったのですが、現場で湯たんぽやキャンドルホルダー、ポットなども追加し、全部で6点になりました。他にも素敵なお店が掲載されていますので、機会があれば手にとって見て下さいね。
季節柄でしょうか、先日も別の出版社から依頼があり、グラニーブランケットの貸し出しをしました。その際、編集の方にグラニーブランケットの由来について質問を受け、お伝えしたところ、企画に入れづらいということで、残念ながら掲載しないとの連絡を受けました。
ただ、とても面白い話で、このまま埋もれさせるには惜しく、自分の備忘録を兼ねて書きますので、良ければお読み下さい(少し長いです)。
*2013年2月追記:その後出版された「世界のかわいい編み物」(下記リンク先)では、せっかくだからと、これから説明する内容を説明文に書き加えてくださいました。良かったです。
まず、グラニーブランケット(おばあちゃんの毛布)とは、かぎばり編みで四角いモチーフを作り、つなぎ合わせた手編みの毛布の事を指します。欧米を中心に様々な国で作られていて、特に70年代にはヒッピーが好み、ヒッピー文化と共に大流行しました。
グラニーブランケット(Granny square blanket)は英語ですが、デンマーク語では「Mormortæppe」、スウェーデン語では「Mormorsfilt」とどちらも「おばあちゃんの毛布」と同じ名前が付けられています。
さて、いよいよグラニーブランケットの歴史ですが、時は19世紀初頭に遡ります。ヨーロッパでは18世紀頃に完成した繊細で美しいボビンレースは貴族や富裕層の服装を華麗に彩っていました。
19世紀初頭、かぎ針でボビンレースに似たモチーフを編むことが始まり「貧乏人のレース」として広がっていきます。特にヨーロッパでも貧しいアイルランドでは多くの人がその制作産業に関わっていました。
今でもアイルランドのレース編みは有名です。詳しくは下記リンク先をご覧下さい。
→アイリッシュクロッシェレース(wikipedia)
19世紀半ば、ジャガイモ飢饉に陥ったアイルランドでは100万人以上が亡くなり、数百万人もの人々が飢えから逃れるためにアメリカ始め、諸外国へと移り住みました(映画タイタニックでディカプリオはアイルランド移民の役でしたね)。
そして移民たちの持ち込んだかぎばり編みと、アメリカのパッチワークと編み物が出会い、19世紀の終わりについにグラニーブランケットが誕生したのです!!!
・・・・なんじゃそりゃ?
って思いましたか?思いましたよね??
はい、多分そのパッチワークとはこのパターンのことではないかと推測しています。
パッチワークの基本中の基本「ログキャビン」です。
ログキャビンはアメリカの開拓時代を象徴するパターンで、暖炉を意味する赤い布を中心に、周囲を丸太小屋の様に細長い布で囲っていく手法です。
近くで見ると、どのように布が組み合わさっているかよく分かると思います(どの写真もクリックすると拡大します)。
グラニーブランケットのモチーフにそっくりですので、個人的には発想の元になったパッチワークは、このログキャビンと思っています。
ちなみに、これは10年位前に半年がかりで作ったベッドカバーですが、出来上がってから家人に「ピンクと青の組み合わせが好きじゃない」と言われ、1、2回使っただけでお蔵入りになっているもの(残念)。
グラニーブランケット、デンマークからいくつか入荷しましたので、準備が出来次第アップしていきますね。既にサイトにあるブランケットは下記リンク先からご覧下さい。
→グラニーブランケット
ミタ
ちなみに猫営業部長もグラニーブランケットを愛用しています。