おはようございます。
昨日、明日の「コーヒーの美味しい淹れ方講座」のときにお出しする予定のシナモンロールを、夏の間は一度も焼いていなかったので、手順を思い出すために試作を焼きました。なんとなく時間配分を頭に入れて、明日は本番です。
シナモンロールは映画「かもめ食堂」でフィンランドのものが随分と知られるようになりましたが、発祥はスウェーデンと言われています。スウェーデン語で「kanelbulle(カネルブッレ)」の形は写真の様に渦巻きを輪切りにしたものが多く、北米にあるシナモンロールもスウェーデン移民が伝えたものとか。
北欧のシナモンロールは、アメリカ風のシナモンロールと違い、カルダモンのすっきりとした香りで、甘みが少なく、生地がしっかりと固めなのが特徴です。ですので、いわゆるパンの”ふんわり”や”しっとり”を期待すると、その違いに違和感を感じるかもしれません。
さて、そのシナモンロールを入れている大皿は、ロールストランドのKoka(コカ)シリーズ。このシリーズがまとめて入荷し、徐々にアップしていますが、こちらはアップがこれからのお品です。
Kokaは1956年から1988年まで作られたロングセラーで、デザインはBla Eldで知られたHertha Bengtson。Bla Eldと違い、日常使いに焦点を当てたシリーズです。シンプルなフォルムにシンプルな装飾で、毎日の生活にしっくりと馴染み、長く使っていただけるでしょう。
→Rorstrand Koka
実はこのKokaを取り上げようかと思ったのはWelcome Dayでのお客さまとの会話がきっかけです。
お店にあるKokaを手にしたお客さまが「これは男の子という意味なんですよね?」と尋ねられたのですが、スウェーデン語でKokaとは「沸騰させる」という意味で、男の子の意味はありません。
これは手元にあるスウェーデン語-英語の辞書のKokaの部分です。赤く線が引いている箇所には”boil(沸かす)”とありますね。
Kokaシリーズの特徴として直火に掛けられる、というものがあります。この写真のソースポットの持ち手がループになっているのは、火にかけたときの熱を分散させ易くする工夫だそうです。
もしかしたら1950年代には画期的な製品特徴のため、そのまま商品名にしたのかも知れませんね。
ところで、お客さまが「男の子」の意味と思うのも仕方が無いことで、実は私もいくつかのショップで「Kokaとは男の子の意味」と書かれているのを目にしていました。スウェーデン語以外でそういった意味があるのかも知れませんが、一つの可能性として、誰かが現地で「コカとはスウェーデン語でボイル」と説明を受けたのを「ボーイ」と聞き間違え、そのまま広がってしまった…
「…のではないかと思うの」
と家人に言うと「そんなバカな話はないんじゃねえ?」と返されたのですが、boilは子音で終わっているので、カタカナで書くと「ボイウ」といった風で、最後が聞き取りにくい単語ではあります。
個人的には案外こんなところに真相がある気がしてならないのですが…。
どうでしょうね?
ミタ
外国語は難しい。