こんにちは、今日の東京は33度だそうで、夏がいよいよ近づいてきました。
暑い、といえばアフリカ、という単純な連想でアフリカイメージの小物を集めました。左端の壺はスウェーデン、グスタフスベリ。1960年のリサ・ラーソンの作品Thaliaシリーズです。中央はデンマーク製のチークの置物、右端は同じくデンマークのAksini製。Aksiniは1954年創業ですから、50年代か60年代のものでしょう。下のクロスは私物で、スウェーデンのクリスマス用のビンテージです。
1950年代から1960年代初めにかけてアフリカをモチーフにした装飾品がヨーロッパで広く流行しました。
これはスウェーデンの雑誌の一ページで、50年代をテーマにしたインテリアが紹介されています。壁にはアフリカ人の横顔を模した壁掛けが飾られていますが、これらは今でもアンティークショップに行けばそれほど苦労なく見つかりますので、北欧でも相当数が作られたのでしょう。
アフリカのアートが欧州の芸術家に影響を与えた話は珍しくは無く、有名なところでは写真の作品時代から更に50年ほど遡る、20世紀初頭のモディリアーニやピカソでしょうか。
欧州各国によるアフリカの植民地化は19世紀終わりから20世紀初めにかけ行われ、当時、多くのアフリカの製品がヨーロッパに運ばれたのが理由なのは言うまでもありません。
同じく20世紀初頭のアフリカ植民地時代を舞台にした映画「愛と哀しみの果て」をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか?
実は私は植民地(コロニアル)ものとベトナム戦争ものは、どんなに名作だとか感動するとか言われても、どうも苦手なジャンルで、この映画も未見だったのですが、随分と前にテレビでたまたま放送していたのを少しだけ観て思ってもいなかった設定を知りました。
メリル・ストリープが演じていた主人公はデンマーク人で、彼女の夫はスウェーデン人だったのですね!てっきりイギリス人かと思っていたのに。
原作者のカレン・ブリクセンは20世紀デンマークを代表する小説家で、50クローネ札には彼女の肖像画がある、とWikipediaにあり、手元の50クローネ札を確認したのですが、橋と壺の絵でした。いつの間にか、デザインが変更したのかしら?
更に彼女の経歴を読むと、私の好きなデンマーク映画「バベットの晩餐会」も彼女の原作とか。
バベットの晩餐会はDVDが廃盤になっていて、幻の映画となっていたのですが、最近HDニューマスター版として再販されたとのニュースがありました。もしご興味がある方は、とても良いお話ですので、是非ご覧になってください。
話があちこちに飛びましたが、アフリカンモチーフに戻すと、当時は屈辱的な間違ったイメージのものもありましたが、同時に写真にあるような「美しいアフリカ」を現わしたデザインも多く作られました。アフリカ人をモデルにしたフィギュアはもちろんですが、アフリカから発想した白と黒の花瓶や置物といった、力強いコントラストの装飾品もいろいろと見られます。
多くのアフリカ諸国が植民地から独立し、アメリカを中心にブラック・アート・ムーブメントが巻き起こる1960年代なら兎も角、1950年代に何故これほど、アフリカの美をテーマにしたアイテムが目立つのか調べてみましたが、結局これという決定的な理由が分りませんでした。もう少し時間を掛ければ何か見つかるかもしれませんので、いつかその時にまた。
写真の3点は、ボチボチ準備して、そのうちアップしますね。
ミタ
ちなみに、映画「愛と哀しみの果て」は原作からかけ離れたメロドラマに脚色されているとの批判がありました。原作は素晴らしいそうなので、いつか読もうと思っています。
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