巨大ブルーベリーとBersaの本当の作者

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おはようございます。写真のプレートはRorstrand Ida(イダ)シリーズです。デザインはロールストランドの人気デザイナー、マリアンヌ・ウエストマン。
実はこのプレート、前回のFukuya Welcome Dayの時にお客さまからお問い合わせをいただいたものです。このデザインは私も以前から気になっていたので「来月の買い付けの時に見つけたら買い付けますね」とお答えしたものの、あまり自信はありませんでした。
それが、翌日スウェーデンを発つという日、その日は土曜日だったので、ほとんどのアンティークショップは午前中で店仕舞い、郵便局も閉まってしまうし、もう荷物は送れないので”見るだけ”のつもりで入った閉店間際のアンティークショップで見つけてしまいました。
急遽、ハンドキャリーで持ち帰るつもりで梱包していた箱をもう一度開けて追加。はみ出したものを新たにバッグに詰めなおして持ち帰ってきました。もう梱包材も残り少なく、満足できる梱包状態ではなかったので、成田でバゲージクレームを5回転くらいしながら転げ落ちてきたときには、さすがに肝を冷やしましたが、一枚も破損していませんでした。
もしかして、梱包の天才!?
さて、このIdaシリーズ、一見リンゴに見えますが、個人的にはブルーベリーを描いたものではないかと思います。というのも、一つの理由は以前フクヤに入荷した、同じウエストマンの作品のブルーベリーを描いたティーカップと絵の雰囲気がとてもよく似ていることです。
こちらがそのティーカップです。
もう少し大きな写真はこちらをどうぞ
→Rorstrand ティーカップ (ブルーベリー)
そうして、もう一つの理由はウエストマンが同じRorstrandのEdenシリーズの作者とされたことについて「私はリンゴを青く塗るような悪趣味じゃないわ」と発言したことです。
もし、これがリンゴなら、正に「リンゴを青く塗る悪趣味」になってしまいますものね。
このIdaを購入したのとは別のアンティークショップのオーナーさんと、たまたまEdenの話になりました。彼女いわく「スウェーデンでもEdenをウエストマン作としている場合は多いわよ。中には真相を知っていながら、彼女の作品というと価格が高くなるからそう言って売る人もいるわ」とのこと。この話は以前も耳にしたので、さもありなん、と相槌を打ちました。
彼女は続けて「価格を上げるために、これもウエストマン作、あれもリンドベリ作って。でもいくら彼らだって全部の作品を作っているわけないじゃない?
Bersaだってリンドベリじゃないんだから」
えー!と驚く私に得意げに「あれはリンドベリスタジオのスタッフが作ったのを、リンドベリの名で出したのよ」と。
さて、さて、その真相はいかに?
どうも彼女のネタ元はこれでないか、という1950年から1975年までのスウェーデン陶磁器に関する本を、たまたま前日にホテルに置いてあったインテリア雑誌の記事で見つけていました。
この本の謳い文句いわく
「スティグ・リンドベリの人気作Bersaの真実の作者とは?間違えてマリアンヌ・ウエストマン作とされているものは?なぜ半世紀もの前のテーブルウェアーがこれほどまで人気なのか?」

とても、目を引く解説ではないですか。
早速、書店にその本を求めに行くと、結構評判になっているのか、大きな書店にも関わらず、もうディスプレイ用の3冊しか残っていませんでした。中身は全部スウェーデン語なので困ってしまいましたが、肝心の(?)Bersaのところだけ何とか訳して読んでみました。

それによると、Bersaは当時50代後半だったKrister Karmark(クリステル・カルマルク)が、壁紙のためにデザインしたものだとか。それをリンドベリがテーブルウェアーに転用したものだそうです。当初グスタフスベリ社はこの葉っぱ柄が売れるとは思わなかったらしいのですが、結果的にグスタフスベリ、そしてリンドベリを代表する作品になったのは周知の通り。
最初のアイデアはリンドベリのものではなかったかもしれませんが、壁紙のデザインを食器に、という斬新な(であったろう)発想はリンドベリのものなんですね。
それにしても、そういえば、なんとなく壁紙っぽい・・・・かも?

ミタ

不在中にご注文いただいた方にお送りするインスタントスープをご用意しました。エビが届くか、アンズダケが届くか、楽しみにしていてくださいね!

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