こんにちは。
ノルウェー、フィッギオ製の面白いプレートが入荷しました。
以前同じシリーズの直径22cmのものが入荷したことがありますが、今回入荷は30cmの大きさのサービスプレートです。
タイトルは「Five O’clock(5時)」。この意味深なタイトルについて、前回入荷のときは調べ切れなかったのですが、今回はやっと意味が分かりました。
午後5時に飲むお茶の集いのことだったのです。
19世紀半ばごろから終わりに掛けて、イギリスでは午後2時の昼食と午後8時の夕食の間、午後5時にちょっとしたお菓子やサンドイッチと紅茶で小腹を満たす習慣があったそうです。
やがて、それは上流階級では社交の一部となり、毎年社交シーズンには午後3時から6時の間に交流のある家庭を訪問して、お茶を頂くようになったとか。それが「Five O’clock」のことだったのです。交際の広い女性などは、この時間帯にいくつもの家を訪問する場合もあり、15分程度滞在して次の家へと行く事も珍しくなかったようです。
この訪問には様々な意味合いがあり、例えば若い男女のお見合い(もちろんその目的でホスト側が2人を招待をするのです)の場でもあり、ご主人が他の家の「Five O’clock」に訪問している間の妻の浮気のチャンスでもあったとか。なんでも、お客様をもてなす女主人が身につける「ティーガウン」は、当時の窮屈な服装(「風と共に去りぬ」の時代です)とは異なり、ゆったりとしたワンピースで、かなり男性の興味を惹くデザインだったらしいです。
主人の方も、奥さんが自分が留守の間に何をしているかは百も承知。だって、自分だって訪問先で同じ事をしているのだから、という話ですよ。
なんておおらかな!
さて、この”社交シーズン”ですが、一年のうちでどの時期のことなのか、イギリスの姉に尋ねたところ「周りのイギリス人に聞いたけど、知らんって言われたー」と返信があり、仕方ないので自分で調べました。
いわゆる社交シーズンとは、初夏の頃なのだとか。イギリスの上流階級の人たちは田舎の別送で夏を過ごすので(映画「ミス・ポター」でもありましたね)、避暑に行く前のこの時期なら、皆ロンドンにいるからなのだそうです。
ところで、このプレートはFiggjoのものですから、もちろんノルウェー製。デザイナーもノルウェー人のTuriさんです。どうして彼女がイギリスの100年以上も前の習慣をモチーフにしたのか、ちょっと分かりませんが、かしこまった淑女に対して、下でだらしなくお菓子を食べる紳士の姿に面白さと少し風刺を感じる作品です。
さて、今日はブログの更新が遅かったので、今は丁度5時ですね。
なんだか小腹も空いてきたので、ここで私もお茶としましょう。
お茶と言えば、今でもイギリスでは軽い夕食の事を「ティー」と呼びます。イギリス人に言わせると「ティーに招待されたら、それが本当にお茶なのか、夕食なのか気をつけないといけないのよね」とのことでしたよ。
ミタ
えっと、あさってアップ予定のブログは書けそうにありません。一回目で中断とは本人も予想も出来ない展開でした。