写真は明日新着でアップ予定のティーカップです。草色を使って、柔らかなタッチで花なのか、葉なのか、植物を描いています。
ソーサーの縁近くとカップの内側には双葉のような連続模様。
連続模様は均一で乱れがなく、また顔料の濃淡を筆で付けながら描いた大きな模様のからも熟練の絵付師によるものと思われます。
バックスタンプを見ると、大文字で「ARABIA AA」と書かれていて、通常使われているロゴではありません。それから、AAに相当するイニシャルのデザイナーが見つかりませんでした。
ちなみにカップはGreta-Lisa Jäderholm-Snellman(グレタ=リーサ・ヤンデルホルム=スネルマン)による、1934年のMLモデルです。カップのデザインは1934年ですが、この型は何十年も作られていたので、デコレーションが同じ時代とは言えません。
デコレーションはOlga Osol(オルガ・オソル)の1940年代ごろの作品に雰囲気が似ています。実際、オルガ・オソルは、グレタ=リーサ・ヤンデルホルム=スネルマンのフォルムにいくつものデコレーションをしています。けれども、オルガ・オソルで見当をつけてみても、相当する作品が見つかりませんでした。
個人的な印象なのですが、これは、絵付師が趣味の範囲で楽しんで作ったもののような気がします。というのも、フィンランドのデザインミュージアムで、絵付師が自分用に作ることもあったという話を聞いたことがあるからです。
とはいえ、本当のところは分からないので、もし誰かご存じでしたら教えてください。とりあえず、明日のアップをお楽しみに。
ミタ