こんにちは。昨夜から降っている雨が今も降り続いている東京です。うっとうしい梅雨の季節が到来ですね。
このストライプのカップは「Säde(サデ)」。フィンランド語で雨の意味です。
カイ・フランクが1948年にデザインしたTMモデルに、1956年にライヤ・ウオシッキネンがデコレーションを施したものです。フォルムは機能主義者のフランクらしい、実にシンプルで何の特徴もないデザインです。
でも実は「何の特徴も無いシンプルな」デザインほど難しいものは無いのだと、フィンランドに留学していたインダストリデザイナーの梅田弘樹さんに随分と前に伺いました。
そのシンプルさが装飾に適しているのか、このTMモデルにはサデだけでなく様々なデコレーションがされています。例えば、右奥のひし形模様の「Revontuli(レボントゥリ)」もその一つ。同じくライヤ・ウオシッキネンによる1954年の装飾です。
レボントゥリとはフィンランド語でオーロラの意味ですが、Revon/Repo(狐)とTuli(火)を組み合わせた言葉で、直訳すると「狐の火」だとか。
オーロラの事を狐の火と呼ぶには二つの言い伝えがあり、一つは狐にからかわれた熊が怒って狐の尻尾に火を付け、空を飛んで逃げた狐の尾から出た火花がオーロラとなった話で、もう一つは狐が子狐たちにお粥を作っている時に煙突から出た煙が様々な色に変化してオーロラとなった話。
後者の方が牧歌的でほのぼのとした話に心温まるのですが、映像がありありと目に浮かぶのは前者の火花。雪原の夜空に飛ぶ狐の尾から火花が飛び散りオーロラに変わって行く。なんとも美しい光景です。狐には気の毒ですが。
サデは2週間後くらいにアップ予定。レボントゥリは下記リンク先からどうぞ。
→Arabia Revontuli デミタスカップ (ベージュ)
ミタ