今日の12月13日は「聖ルシアの日」です。スウェーデンで18世紀にはじまったこのイベントは今は北欧各国で広く祝われています。
この日は各地域や団体でルシア姫に選ばれた少女が、キャンドルを灯したモミやリンゴンベリーの枝で作った冠を被り、白い服を着た他の少女(ターナ姫)や少年(星の子)たちとサンタ・ルシアの歌を歌いながら学校や病院などを行進をして周ります。
スウェーデンの公式観光サイトの作ったルシアについての紹介動画を下に貼りますね。ちょっと(かなり)面白おかしく作ってありますが、その分最後まで楽しくご覧になれると思います(生真面目な観光ガイドよりも惹きつけ方が上手いなあと感心します)。
ルシアとはキリスト教の聖人で、自らの信念(処女)を破るよりは目をくりぬかれて盲目になる方を選んだとされています。なぜイタリアの聖ルシアが北欧で祝われるようになったのかは、はっきりとは分かっていません。
ある説ではキリスト教以前のトロール崇拝が変化したものではないかとあり、またある説では盲目の処女は内なる光の象徴としていつか終わる暗い冬を意味するからとも言われています。
いずれにしても聖ルシアのお祝いは厳粛に、同時にお祭り的な要素を持って北欧各国で行われています。
伝統的にはルシアの日に子供たちは早朝に起き、キャンドルとルシアのパンを持って両親を起こしに寝室へと向かいます。
この1982年のグスタフスベリのクリスマスプレートはその様子を描いたものですね。初めて見た時はなぜ子供たちがパジャマ姿なのか分からなかったのですが、今は理由を知って納得しています。左の男の子が持っている小さなヤカンには沸かしたコーヒーが入っているのでしょう。
デザインをしたスティグ・リンドベリには実際に女の子が二人、男の子が一人いました。彼もルシアの朝にはこのような光景を見ていたのでしょうね。
ルシアの日にはトップの写真にあるサフラン入りのパン、ルッセブッレ(lussebulle)を食べる習慣があります。なぜこのパンを食べるかも同じくよく分かってはいず、恐らくヴァイキング時代に日の短い12月に太陽が戻ってくるのを祈った、太陽崇拝や豊穣神崇拝に太陽の形をしたパンを作った事からではないかと言われています。
ルッセブッレはSの字の形をしたルッセカット(ルシアの猫)が良く知られていますが、この写真のように様々な形があります。それぞれにユニークな名前があり、中央のタコの足のような形は、司祭の髪(prästens hår)と言うそうですよ。味は同じなんですがね!
ミタ
11月のスウェーデンのコンビニでは既にルッセカットとコーヒーセットの広告が。セットで22クローネ(約330円)はリーズナブル?
フクヤのオリジナルコーヒー。北欧のシーンに合わせて選ぶ3つのブレンド。