おはようございます。
この可愛らしいエッグカップは、デンマークのDybdahl(ディブダール)による大変知られたアイテムです。主に作られていたのは1970年代で、手彩色による色付けは一つ一つ色の組み合わせや鳥の顔つきが異なり、どれを選べばいいのか迷うほどです。
可愛らしいだけでなく、スタッキングすることが出来るので、家族分揃えても収納に困らない実用性があります。デンマークの家庭で、毎朝好きな色の小鳥を選んで、ゆで卵を乗せて食べていたのでしょうね。
もちろん、卵だけでなくアクセサリーを入れて積み重ねたり、小さな植木鉢として使えば緑が映えるでしょう。ちょっと贅沢ですが、綿を詰めた布を入れればピンクッションにもなります。
例えば、こんな風に。
→ピンクッション?
さて、このディブダールの製品は素朴でプリミティブな雰囲気が特徴です。エッグカップ以外によく知られたものの中には動物の顔が沢山付いたような、どちらかというと奇妙なものもあり、好みの問題ですが個人的にはどうも苦手です。
ただ、手彩色で有機的な植物のパターンが施された大きなプレートは本当に素敵で、日本での知名度の低さから今までなかなか手を出せなかったのですが、これは、というものが見つかった時にご紹介できればと思っています。
ディブダールは、写真のMargrethe Dybdahl(1916年-1999年)とPalle Dybdahl(1918年-2001年)の夫妻によって1960年代に作られた工房です。主にPalleが作ったフォルムにMargretheが絵付けをしていました。夫妻以外には数人の若い見習いがいたそうです。
当時の工房の写真を見たのですが、自然の中に建つ木造とレンガ造りの、飾り気のない平屋。写真の中には庭で丸太を切っただけのテーブルに自作の食器を並べてコーヒーやビールを楽しんでいるものもあり、素朴な暮らしぶりが伺えます。
この工房の製品は、ヨーロッパだけでなくアメリカやオーストラリアでも人気があるにも関わらず、あまり詳しいことは知られていません。もしかしたら、小さな家族経営の工房ということが資料の少なさの原因なのかも知れません。
ごく小さな工房でしたが、夫妻は1971年に陶芸協会”Nordsjællandske keramikere“を設立し、二人が亡くなった今も、その協会は所属する陶芸家たちを補佐し続けています。上の2人の写真は、その協会からお借りしました。
個人の工房で弟子たちを育てた経験が、陶芸家たちをサポートする協会設立の動機になったのかもしれません。自身の3人の子どもを育てあげた夫妻ですが、同時に弟子たちの面倒も見ていたようで、結構面倒見のいい人たちだったのかな、となんとなく想像しています。
このエッグカップは、今月中にアップします。
ところで、妻のMargrethe Dybdahlは1970年に日本で展覧会を開いたそうです。資料が全く見つからなかったのですが、もしかしたら、これを読んでいる方の中に行ったことのある方がいらっしゃるかも知れませんね。
ミタ
こちらもデンマークから来たエッグカップたちです。卵の茹で時間を計る砂時計つき。エッグカップは小鳥の形が多いですね。
あまりの突き抜けたキッチュさに負けて、ついつい買い付けてしまいました。後ろのボードには穴があり壁にかけて使います。これもよろしく。