おはようございます。
フィンランドのアラビア社では、1960年代から1970年代にステンシルの手法で装飾をしたシリーズがあります。一体何種類作られたのか、わからないほど沢山の柄があり、そのほとんどはデザイナーもパターン名も分りません。
気楽な日常用として作られたシリーズで、全体的にラフな絵付けになっています。けれども、今となってはそのラフさが魅力となり、コレクターもいるほどで、現地でも価格が上がっているアイテムのひとつです。
このステンシルシリーズに使われた型は、例えばフィンランドを代表するデザイナーのひとり、Kaj Franck(カイ・フランク)によるAAモデルもあれば、アラビアの数少ないアール・デコ風のデザイナー、Greta Lisa Jäderholm-Snellman(グレタ・リサ・イェーデルホルム=スネルマン)によるMLモデル、フォルムもデコレートも美しい”Nipponシリーズ”も手がけたOlga Osol(オルガ・オソル)によるRLモデルなどなどと枚挙にいとまがありません。
これだけ様々な型をステンシルシリーズに流用しているところを見ると、当時、手元にある使えそうな型は何でも使っちゃえ、と考えていたのではないかとすら思えてきます。
ちなみにGreta Lisa Jäderholm-Snellmanの魅力溢れる人となりについては、下記の商品説明に詳しく書きました。
→Arabia She-Foo デミタスカップ
Olga Osolについては下記のフクヤ通信をご覧下さい。偶然見つけた珍しいOsolの顔写真もあります。
→フィンランドから来たNippon
さて、様々な型で作られているステンシルシリーズですが、私が特に好きなのは写真のGöran Bäck(イェラン・ベック)によるBRモデルです。
このモデルは、ステンシル以外にも例えばエステリ・トムラがデコレートのIsokukkaやAurinko、ライヤ・ウオシッキネンのデコレートによるHermesやKaarinaがあります。
イェラン・ベックはカイ・フランクの元で原型作りを経た後、主に業務用の型作りを手がけていました。彼の作品については以前ご紹介しました。
→「業務用」の凛とした魅力
今回フィンランドのセルフサービスカフェで、BRモデルのカップが集まっている、この光景に出くわした時に益々いいなあと思うようになりました。
業務用を多く手がけた彼の無駄の無い型は、ステンシルというシンプルな手法にものすごく合っていると思いませんか?
買い付けではこのカフェに触発されて、ステンシルを特に集中して集めてきました。このBRモデルに限らず、カイ・フランクのAAモデルや細身のOTモデルなども買い付けました。これから夏に向けて順番にご紹介していきますので、お気に入りのひとつを見つけていただけると嬉しいです。
ミタ
このカフェの光景はかなり印象的で、いつかBRモデルだけ集めたカフェを開きたいとさえ思ってしまいました。
こうしていろんなパターンが並んでいると確かに集めたくなる気持ちわかります。そして是非とも誰かの見事なコレクションが見たい。ミタさんのカフェBR、絶対やってね。
>>もももままさま
私も見てみたいです、すごいコレクション♪カフェBR、食器は提供しますので、誰かやりませんかー?