先日知人に「fukuya通信、ほぼ毎日更新って言葉に嘘は無いですね。」と言われて得意になったばかりなのに、今日は何も思いつかなくて、危うく”今日の占いカウントダウン”乙女座の運勢「ウソがバレて非難集中。誠意を見せてすぐ謝罪。」を実行するところでした。
“何も思いつかない”と書きましたが、テーマは決まっています。この写真のGustavsberg Eros。リンドベリがデザインした、この不思議なプレートについて書きたいな、と先週から思っているのですが言葉が何も出てきません。
といっても、決してこのデザインが嫌いなわけではなく、むしろ逆。細部まで緻密に描かれた絵は、思わず引き込まれる魅力があり、リンドベリの画家としての才能が遺憾なく発揮されています。
本来食器というものは、料理を盛り付けるものであり、プレートのデザインは料理の引き立役のはず。ところがこのErosに関しては、それまでリンドベリが手がけたアートピースやテキスタイルデザインのような、アーティスティックな自己主張の世界が展開しています。
最初このプレートを見たときは、不思議な生物の姿にヒエロニムス・ボスの祭壇画「快楽の園」を連想したのですが、よくよく見るとこれはむしろ前世紀末の画家、グスタフ・クリムトの世界だなと気が付きました。
ウィーン分離派を代表する画家、クリムトが生涯追い求めたテーマは「死」と「エロス」。彼の絢爛豪華で装飾的な絵を見ると、その中に性を象徴するアイコンが描きこまれていることに気が付くでしょう。
このリンドベリのErosも同じく装飾的な表現をしながら、あちらこちらに性を象徴するモチーフが描きこんであります。
おそらく中央の木が象徴しているのは、女性の体。その証に・・・(以下18禁)。
そして、その木から伸びているのは・・・
書きかけて、ちょっと恥ずかしくてこれ以上は書けないと気が付きました。
そうか、だから筆が重くなってしまったのか・・・。
さまざまな作品を残した、スティグ・リンドベリ。彼もまた追求していたものは、愛だったのかもしれません。
興味を持った方はどうか、ご自分の目で確認して下さいね。ディナープレートはこちら。スープボウルはこちらからどうぞ。
ミタ
この年(1972年)リンドベリはグスタフスベリのアートディレクターに復帰しています。・・・だからか?