おはようございます。旅から戻ると不思議なことがありました。
我が家の壁掛け時計が2つとも止まっていたのです。
どちらも電池式でしたので、偶然電池が切れてしまったのかと思ったのですが、そういえば交換したのはそんなに前のことではありません。
電池を取り出して付け直し、ちょっと振るとまた動き出しました。帰国して1週間以上たちますが、2つとも順調に時を刻んでいます。
時計も必要とする人がいないと死んでしまうのですね。
『金魚も、ただ飼い放ち在るだけでは、月余の命、保たず』
時々思い出す、太宰治の「HUMAN LOST」の一文です。
さて、以前ツバメの壁飾りをご紹介したときに一緒に写っていたこの時計。こちらはドイツのビンテージで私物です。
→2010年2月6日の記事
この時計が止まっていた2個のうちの1個なのですが、こちらはお年を召しているためか、再起動にちょっと時間がかかりました。
このブログを書いたときに、ツバメはもとより時計にも反響があったので、今回の買付で探してきました。残念ながら同じものは無かったのですが、2つ見つかりました。一つは同じドイツ製、もう一つはフランス製です。
さて、こんな古い時計が正確に時を刻むのか、というと、私の時計に関して言えば、
狂います。
大体、1週間に5分くらい進みます。
でも、大丈夫。
このように前面のガラス部分が開いて針を回して修正できるのですね。私の時計も開きますが、今回買い付けた2個の時計もこのように前面ガラス(風防)が開くようになっています。
最初、電池式なのにどうして風防が開くのかと疑問に思ったのですが、これで納得しました。
面白いなあ、と思うのは、正確に時を刻むムーブメントを作ることを諦めて、針を手で直すように時計をデザインしてしまったところです。
日本人的な発想では考えられず、突っ込みどころ満載なのですが、これでよし、とするメーカー、そしてこれでよし、とする消費者。そのおおらかな関係が素敵です。
正に生き物を扱っているよう。
それで思い出したのですが、スウェーデン社会研究所の須永所長が「日本は許認可が厳しすぎる。スウェーデンではその製品に優れたところがあれば欠点があっても許可され奨励される。だから発明品が多く、製品開発が進む」とお話されてしました。
閑話休題
生き物に癖があるように、無機質な製品にも癖があります。新しいものはもちろんですが、古いものならなおさら。その癖と上手く折り合いながら付き合う。それもまたビンテージという厄介な者に愛着が湧く理由なのではないでしょうか。
ところで、私の壁掛け時計。帰国してから1週間たち、そろそろ針を戻す日なのですが・・・今のところ正確に刻んでいます。
ご機嫌が直ったのでしょうか?
ミタ
とはいえ、お渡しする前にもう一度動きを確かめてみます。あまりにも狂うようならば修理に出す予定ですが・・・・いつも私物を頼んでいたビンテージ時計専門店が閉店してしまって。また探さねば。
我が家の時計はみんなバラバラの時間を主張しております。ケータイで時間は確認。とはいえビンテージ時計専門店探してね♪
>>k7さま
えーと。合わせてあげて下さい。そのうちストライキを起こされちゃうかもしれませんよ。
時計専門店できれば地元で、と思っているのですが、千葉情報にもひかれています。