へたうま?

091207-1.jpg

おはようございます。
先週デンマークの2人のディーラーさんからそれぞれ1箱、スウェーデンのアンティークショップから1箱の、合計3箱届きました。
デンマークのディーラーさんの1人は、ドイツに旅行に行くついでに彼の地から発送してくれたそう。何でもドイツの方が送料が安いとか。島国の日本に住んでいると想像できませんが、デンマークとドイツは陸続きなので、車でひょいと荷物ごと旅が出来るんですね。
気を利かせてくれて、本当に嬉しい。
さて、上の写真はもう一人のデンマークのディーラーさんから買い付けた、ノルウェーのStavangerflint(スタヴァンゲルフリント)Morgenfuglシリーズです。赤と浅葱色に鳥のモチーフと、私の好きな要素が揃っています。ところで、Morgenfuglの意味をノルウェー語英語で引くと”Morning Bird(朝鳥)”でした。孔雀に見えるけれど、違うのかな?
製造のStavangerflintについて簡単に説明すると、1946年創業(製造開始は1949年から)、1968年に同じくノルウェーのFiggjo(フィッギオ)社と合併。その後もFiggjoのStavangerflint部として名前が残っていましたが、1979年にFiggjoにブランドネームを統一し、現在は既に無いメーカーです。
こちらは、Stavangerflint時代のものですが、1950年代後半以降、恐らく1960年代のものでしょう。
と言うのも、バックスタンプに「Design “Morgenfugl” by Kari」とあり、デザインはKari Nyquistと分かります。彼女は1955年から同社にフリーランスデザイナーとして契約をしていたので、1955年から1968年間の作品のはずですから。
さて、彼女の作品はもう一つ入荷しています。

091207-2.jpg

飾り皿です。描かれているのは、ゴルフをしているカップル。その頭上にはMorgenfuglと同じような鳥の姿がありますね。
実はStavangerflintにおける彼女の作品のほとんどはこれと同じく、薄っすらとしたブルーの地に濃いブルーで描かれた作品です。
そのシリーズが、以前もフクヤに2つだけ入荷したことがあります。.

こちらのバターケースと飾り皿。

ST-BP4-57Aa.jpg
ST-BP4-22A.jpg

実は初めてKariの作品を見たときの感想は「素人?」でした。
なんとも不安定な空間の取り方、モチーフの捉え方も統一感が無いというか、レベルのばらつきがあり、上手に表現できているものとできていないものの差が激しい。デッサンの狂いは計算でデフォルメしたものではなく、訓練を受けていない人が自然に描いた結果に見えます。
今回入荷のゴルフのプレートにしても、太陽がニコニコ笑っているのも可笑しいし、人物の自由な表現に対して、クラシックな左右対称という手法で鳥が装飾されていたり、ピンに乗せられたゴルフボールがあちこちに理由も無く描かれていたりと、まるで思いつきで描いたようです。
それにしても、プロのデザイナーなら着想しないような、ふと思ってもやっぱりやめるような、この、なんだか訳が分からない、留まるところを知らない楽しさは何なのでしょう!
そのうえ、見ているうちに最初の違和感を超えて、好きになってくるから不思議です。
興味を持って彼女の経歴について調べると、そもそもは陶芸家として勉強をしキャリアを積んだ人とか。作品はノルウェーのナショナルミュージアムにも収蔵されているそうです。
なるほど、絵を描く方は専門ではなかったのですね。けれでも決してアートと言うジャンルでは素人ではない。その絶妙なバランスがこのユーモラスな作品に魅力を与えるのでしょうか。
Kariのこのシリーズはとても愛されていたようで、調べると実に沢山ありました。一見「下手?」と思わせる(いや、実際に下手なのかも)絵なのですが、何となく心惹かれるものがあります。それはきっと持ち前のユーモアから来る、対象の捉え方の面白さなんでしょうね。
是非Kariの描く世界に、どっぷり浸って、にっこり笑いながら楽しんで欲しい作品なのです。
ミタ
..
鳥は好きだったのでしょうね。人物よりも上手ですよね?

【この記事をシェア】

コメントを残す

関連投稿

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る