おはようございます。
デンマークからの荷物のなかに、Alumina(現ロイヤル・コペンハーゲン)の40年前に作られた大きな陶器の箱が入っていました。
アルミニアは1863年創業の日用品のメーカーでしたが、陶器部門を作るにあたって1882年にロイヤル・コペンハーゲンを買収しました(当時はアルミニアの方が大企業だったのです)。その後1969年にロゴをロイヤル・コペンハーゲンに統一するまではアルミニアのロゴでも製品が作られていました。
この陶器のボックスは、そのアルミニア時代に作られたTeneraシリーズの1つ。テネラは、それまでのクラシックなラインではなく、モダンなものを作ろうと、1958年に主任デザイナーのNils Thorssonの下に北欧各国から6人の若い女性デザイナーばかりを集めて作ったシリーズです。
まるで、バブル期にもてはやされた「女性企画開発チーム」のようですね!
こちらはノルウェーのKari Christensenによるデザインです。大きく、手にするとずっしりと重い、厚みのある作りに、立体的に生命感溢れる生き生きとしたパターンが施されていて、重厚感と軽さが同居する印象的な仕上がりになっています。
何を入れて使うか、楽しい想像が広がりますが、私なら大切な思い出のある宝物を入れたいです。
祖母や母から譲り受けた、水晶のネックレス、カメオのブローチ、誕生石のサファイアの指輪。アンティークのスイス製の時計たちは、学校帰りに骨董店巡りをしている、ちょっと変わった趣味の孫娘に「あんたは、古いものを大切にするから」と祖母が事あるごとにくれたものです。
中には小学生の時にもらったものもあり、10代の私がつけるには大人びていて、その時は身につけることはありませんでした。それに、うっかりなくしてしまうのも怖かったですし。
実際落としてしまったり、ガラスの風防をポケットの中に入れていて割ったことも・・・。落とした時計は後ろを歩いていた方が拾ってくださって、風防は修理しましたが、こちらはアンティークの趣がなくなってしまいました・・・。がっくり。
あまり身につけることはなくても、時計は悪くならないように取り出してはねじを巻き、数年ごとにお小遣いでメンテナンスに出し、大学生になってバイト代がたまったら、痛みが激しかった金のベルトを皮に取り替えました。
カメオは乾燥しないように時々オイルを塗り、就職してお給料を頂くようになったら、悪くなっていたシルバーのピンを新しいものに交換しました。
そうやって、取り出しては仕舞う、を何十年も繰り返しているうちに、私もいつの間にかこういったものを身につけてもおかしくない年になっていました。ああ、驚いた!
ただ、問題は、付けていく機会がないんですよね・・・。
こちらの美しい箱は、次の木曜日にアップ予定です。何十年経っても色あせることのない、皆様の大切な思い出あるものを仕舞うのにいかがでしょうか。
ミタ
..
超出不精なんですよ、私。
自宅で出来て、好きな古いものに囲まれている。本当、この仕事向いています~。