買い付け先で撮った面白い写真も、ブログのストーリーに上手く入れることが出来ず、使わないままなものがいくつかあります。これもその一つ。
ビルゲル・カイピアイネン展が開催されているフィンランドのエスポー現代美術館(EMMA)にある展示物です。
正確にはEMMAを含む5つのミュージアムの総合エキシビションセンター「WeeGee」に展示されています。
まるでオブジェ作品のようですが、実用品として作られました。
その正体は「家」です。1968年、フィンランドの建築家Matti Suuronen(マッテイ・スーロネン)によって安価で持ち運びしやすい、強化プラスチック製のレジャーハウスとして設計された、「Futuro(フトゥロ)」です。
こちらが、その間取り図。いかにも60年代の”スペースエイジ”を象徴するフォルムと素材です。
当時は大変に人気があったそうですが、1970年代のオイルショックにより資材のプラスチックが高騰し、コスト面から生産が中止になりました。
下に2007年にオランダの美術館で展示された時の動画を貼りました。内側も撮影されていますので、どうぞご覧下さい。
ちなみに、この動画は適当なところで止めないと、次々に次の動画が出てしまいますので、お気をつけ下さいね。
動画で「アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、日本にも輸出された」と説明されていますが、そのうちの一つが現存しています。場所は池袋にあるフェリカ建築デザイン専門学校。校庭に設置され、年に2回見学が出来るとか。
また、アメリカのウィスコンシン州には宿泊施設として使われている物も有るようです。インテリアがアメリカンカントリーっぽいのがちょっと残念ですが、ユニークな体験ができますね。
と、まあ、本当は今年を振り返り、ご挨拶を書く予定だったのですが、フトゥロの話が長くなりすぎたので、ここでお終いにします。
使われなかった写真もあるのですが、こんな感じで書けなかった話もあります。いずれもそのうち何かでご紹介することがあるかも知れません、無いかも知れないけれど。
では、みなさま良いお年を。
ミタ
まるで漫画に出てくるような「未来の家」ですね。
現在は世界各国に少なくとも47軒残っているのが分かっているのみとか。
こちらは廃墟になっているFuturo(落書きが悲しい)。