
北欧ビンテージショップFukuyaは、2025年12月31日をもって閉業しました。閉店から気がつけば3週間が経ってしまい今さら感もありますが、改めてご挨拶というか、振り返りのようなものを書いてみます。
Fukuyaは2006年にオンラインショップとしてスタートしました。
当時はまだ「北欧」という言葉が今ほど一般的ではなく、情報も限られていて、すべてが手探りでした。ただ、北欧にはこんなに素敵なものがある、ということを皆さんに知ってほしい。その楽しさを誰かと共有したい。そんな気持ちで始めたことを覚えています。
当時は北欧ビンテージを扱うネットショップがほとんどなかったこと、そしてその年に公開された映画『かもめ食堂』によって、一部に熱狂的なファンが生まれたこともあり、ネットショップをオープンしたその日の夕方に注文が入った時は、本当に驚きました。
だって、Twitter(現X)もFacebookページもInstagramもない時代です。事前告知なんて一切していないのに、どうやってFukuyaを知ったのか、今でも不思議でなりません(Facebook自体は日本に広がる前でしたが、海外の友人とは個人的に使っていました)。
2012年には、東京・世田谷区に実店舗をオープンしました。もともと夫の父が経営していた酒屋が高齢に伴い閉店し、その場所を倉庫兼店舗として使うことになり、週に2日のみ(当初は月2日)の営業でした。
ささやかなお店でしたが、わざわざ足を運んでくださる方がいて、新しい出会いもたくさんありました。年に一度の蚤の市では2軒先のお宅まで伸びる長蛇の列ができ、夫を子どもの時から知っているような古くからのご近所の方を驚かせたことを、今でも懐かしく思い出します。
2022年、東京から神戸へ引っ越したことをきっかけに実店舗は閉店し、その後はオンラインショップのみを続けてきました。実は転居の数年前から「いつかはFukuyaを終える」ということを、少しずつ考えていましたが、東京を離れるにあたって、それをより現実的に考えるようになりました。
現地を取り巻く状況は変わり、以前ほど楽しいと思えなくなり、続ければ続けるほど、気力や時間を削られていく感覚がありました。
節目としては、20年目にあたる2026年7月での閉業も考えましたが、気力の限界を感じ、昨年末で区切りをつけることにしました。予定より半年早い決断でしたが、昨年から下がる一方の円のレートを見ていると、もし続けていたらこの価格でも仕入れをし、利益を削らざるを得なかったのだろうなと想像します。そう考えると、結果的には良いタイミングだったのだと思います。
長年Fukuyaを支えてくださった皆さま、本当にありがとうございました。
先日、神戸のマルカさんへお茶をしに行きました。マルカさんのスタートは、フクヤの1〜2年後だったでしょうか。
あの頃は資料もほとんどなくて、手探りで一生懸命調べたよね。北欧にワクワク感があって、楽しくて、未来が明るく感じられたね。
と今年初のセムラを食べながら、店主の大垣さんと昔話をしました。

あんなに良い時代を、皆さんと共有できたことを、今あらためて幸運だったと感じています。
そうそう、トップの写真は、初めてフィンランドに行った時、オンラインで取引のあったディーラーさんの奥さまが雇われ店主をしていたレストランの写真です。今見れば、ヒンメリがあるな、とか、ルイス・レイパが天井から下がっているな、と自然に目に入りますが、あの時は何もかもが目新しく、不思議でした。
当時はガイドブックもほとんどなく、メディアで取り上げられることも少なく、北欧についての知識は、ほぼゼロからのスタートでした。告白すると、初めて食べたシナモンロールもカルヤランピーラッカも、正直なところ奇妙な味だなと、あまり美味しいとは思わなかったです。今では好きなんですがね。
今となっては、すっかりどっぷり浸かっている北欧ですが、これからは、付かず離れず、程よい距離感で関わっていくつもりです。学んだり、作ったり、書いたり、誰かと話したり。そんな、もっと身軽な関わり方をしていきたいと思っています。
すでに始めている「ぼちぼち北欧」も、その延長線上にあります。
北欧を「仕事」としてではなく、生活の中で楽しみながら、続けていく。Fukuyaとは違う形ですが、これまで積み重ねてきた経験や視点を、無理のない形で活かしていけたらと思っています。
Fukuyaはひとつの区切りを迎えましたが、北欧との関わりが終わるわけではありません。これからは少し形を変えて、またどこかで、皆さんにお会いできれば嬉しいです。
というわけで、3月に京都で開催される北欧イベント「ぼちぼち北欧」に、ぜひお越しください。
ほとんど巻き込まれる形で主催者になったイベントですが、やる以上は、来てくださる方がきちんと楽しめる内容にしたいと思っています。とはいえ、初めての試みでもあり、正直なところ不安もかなりあります。
詳細は下記のリンク先からご覧いただけます。インスタグラムをフォローしていただけるだけでも、とても心強いです。よろしくお願いします。