『そうだ神戸に住もう 1』から続いています。
西宮から神戸の間(いわゆる阪神間)に移住すると決めたとき、家人の希望は「窓から海が見える」でした。窓から海を見るには神戸の山の手に住まないといけない。この時点で駅から徒歩圏は無しになりました。山の手の物件を物色していると家人が「この家は?」「いや、駅から歩くしかなくて15分なんて無理」「今だって自由が丘から20分歩いているじゃないか」「坂が歩けない」「自由が丘からの坂だって結構急だよ」「神戸の坂舐めたらいかん」「歩けるよ」
実情を知らない人には分からないのだなと諦め、母にその話をすると冷ややかに「行ったら分かるわ」と笑い、一緒に「行かないと分からんね」と頷きあっていました。
実際に神戸に内見に行き、家人が「おっしゃる通りでした。神戸の坂舐めてました。」と認めたのは後日談。探し始めた当初は、家人が候補に挙げるバスなし徒歩15分くらいの物件を「なるほどー」と否定も肯定もせず、ひたすらにバス停から徒歩3分以内の物件をリストアップしていました。
どんな家に住みたいか
家人の「海が見える」をはじめとして、二人で希望を出し合いました。
立地
- 阪神間(『そうだ神戸に住もう 1』参照)
- 海が見える
- バス停から徒歩3分以内
- スーパーあるいはコンビニが徒歩圏
- 病院、できれば動物病院も徒歩圏
- 駅から歩こうと思えば歩ける距離
- 道路からフラットで擁壁の上ではない
間取りなど
- 夫婦それぞれに別の個室と仕事部屋
- ダイニングとリビングは緩やかに分ける
- リビングは2階(リビングから海を見たいとの家人の希望)
- キッチンは独立
- トイレは各階
- 商品をストックするスペース
- 外観はでこぼこの無い四角形(これは家人の主張)
以前も書きましたが、最近は8割の方が対面キッチンを選ばれるそうですが、私は一番ごちゃごちゃするキッチンが丸見えなのには抵抗があり、今の家も独立キッチンで作っています。また、仕事で北欧の家に行く機会が増えて気が付いたのは、リビングが独立しているのが好まれる事。日本ではダイニングとリビングが同じ空間に、加えて対面キッチンだと全部が一部屋になっている「LDK」タイプが多いのではないでしょうか?
それが北欧では、広さに余裕があれば「L・D・K」、小さな家では「L・DK」と寛ぐ空間と食べる空間を分けているケースが多いように思えました(キッチンに食事用テーブルを置いている家も多い)。考えてみればダイニングで過ごすのは1日の内の1時間程度。ほとんどの時間をリビングで過ごしているのに、多くの空間を割くのはもったいない気がしたのです。
これらの条件を書き出して、オンライン無料相談をしている設計士さんに話してみると「その間取りでは50坪は必要」と指摘され、条件に「土地50坪以上」が加わりました。その際に、私たちの予算では阪神間に50坪は難しいので、川西市や宝塚市に範囲を広げたらどうかとアドバイスされ現実の厳しさにショックを受けました。
家探しをしている過程でなかなか理想的な場所が見つからず、この言葉を思い出す機会が何度もあったのですが、やはり馴染んだ地域に愛着があり、希望のエリアで諦めず探し続けることにしました。
家か土地か
さて、新しい土地に一戸建てで住み替えでとなると、選択肢は三つ。
- 土地を買い新築を建てる
- 新築、あるいは中古物件を買いそのまま住む
- 中古物件を買いリフォームする
1.は予算の関係で断念。2.は多くの物件がいわゆるファミリータイプの間取り(主寝室1、子供部屋2)の上、特に築浅の場合は100%対面式キッチンなので希望に沿いません。理想の住まいとなると、必ず間取り変更は発生するので、リフォーム前提で古くてもいいから価格が低めの中古物件を探す、3.に絞ることにしました。
探し出して早々に気が付いたのは、山の手の住宅街には徒歩圏で買い物施設や病院がないこと。車中心の暮らしというのもあるのですが、そもそも探している地域のほとんどが『第一種低層住居専用地域』に相当していて店舗が作れないのです。
今までのように家から徒歩でスーパー7軒、コンビニ4軒、病院も充実している暮らしはもう望めません。とはいえ日常の買い物は今でもネットでほとんど済ませていて、スーパーに買いに行くのは週に1回有るか無いか。引っ越したら急にあれが無いということが無いように心がけよう。あとは健康に気を付けようと決意しました。
土地を探して新築を建てるのは、予算の問題以外に、いい場所には既に家が建っていてなかなか見つからなかったのも断念した理由です。