『フィンランド・デザイン展』東京会場スタート!

2017年1月の福岡会場を皮切りに、12月の宮城会場まで約1年間全国を巡回する『フィンランド・デザイン展』がいよいよフクヤのある東京にやってきました。会場は府中市美術館、会期は9月9日から10月22日。

初日の昨日開催された開会式に招待を頂き、行って来ました。会は閉館後の午後5時半より開催されました。
挨拶をされるユッカ・シウコサーリ駐日フィンランド大使。フィンランドには戦後大変に貧しく苦しい時代があり今に至ったこと、フィンランドのデザインは海外の影響を受けながらも身近な自然から着想を得ている事などを話されました。

間に歓談の時間を挟み、府中市美術館の藪野健館長が挨拶されました。洋画家である藪野氏ならではの視点から今回の展示で感銘を受けた点をお話されました。

開会式の後は、内覧会の時間が用意されていました。なお展示の撮影は禁止ですが、取材のため許可を得て撮影しています。

今年はフィンランド独立100周年記念として企画された、100年の歩みを振り返る展示となっています。まずは「第1章」として独立以前の19世紀の家具や器などから。

第2章はフィンランドデザインの礎を築いたデザイナーたちの作品。カイ・フランクの器やマイヤ・イソラのテキスタイル。

アルヴァ・アアルトの曲木の椅子。

第3章はフィンランドデザインを完成させたデザイナーたちの作品が並びます(完成というだけあり、つい最近まで作られていたり、今も作られている物も!)。


第4章はフィンランドの異才たち。ムーミンの作者トーベ・ヤンソンの素晴らしいムーミンの本のためのドローイングや、貴重な50年代のムーミンの製品が並び見入ってしまいます。

ヴォッコ・ヌルメスニエミの大胆なテキスタイルを使ったドレス。

エーリック・ブルーンのポスター原画。ペンのタッチの素晴らしい事。そして、半世紀以上前のことですから、文字ももちろん手描きです。学生時代にやりましたが、面相筆で輪郭を描いて、内側は平筆で塗るんですよね。懐かしい。

第4章のエーロ・アールニオのポップな椅子たちの壁面に飾られているのは、第5章の企業とデザインを飛躍させたデザイナーとして取り上げられている、石本藤雄の華やかな花の陶板作品です。

第5章には、東京会場の「顔」となっている、オイヴァ・トイッカのフクロウも。

最後の第6章はフィンランドデザインの今について。アラビアのヘイニ・リータフフタの繊細な作品。

これは可愛かった。ハッリ・コスキネンがカニ(兎)とオウル(フクロウ)のパターンを和紙と漆で作ったポーチにデザインした製品。

その他にも、カイ・フランクの意外な側面を見る可愛らしいテキスタイルパターンや、ムーミンマグの原画といった、普段はなかなか見ることのできない展示がされています。ムーミンマグの原画は、完成までに試行錯誤したプロセスが時系列で並べてあるのが面白い!
2012年の「フィンランドの暮らしとデザイン展」よりも、デザイナーにグッとスポットを強く当てているので、デザインが好きな方にはワクワクと、どの作品も一つも見逃せない展示となっています。ここにご紹介した以外にも是非見て欲しい作品が並んでいますし、また写真では絶対に伝わらない細部の美しさ、面白さがあるので絶対に実物を見て欲しいです。東京は少し不便な場所にありますが、行く価値ありですよ。


フィンランド独立100周年記念 フィンランド・デザイン展
府中市美術館
〒183-0001 東京都府中市浅間町1-3
(ハローダイヤル 03-5777-8600)
会期:2017年9月9日(土)~10月22日(日)
※10月8日(日)は開館記念無料観覧日。
休館日:月曜日 (9月18日、10月9日をのぞく)、9月19日、10月10日
開館時間:午前10時~午後5時(入場は午後4時30分まで)
観覧料:一般900円
詳しくは下記リンク先の公式サイトをご覧ください。
●フィンランド・デザイン展


最後の会場は、10月28日から12月24日まで宮城県美術館です。東北旅行ついでにいかがでしょうか?
ミタ

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