既にスウェーデンに移動していますが、今回の買い付けスタートは久しぶりにデンマークでした。
デンマークには信頼のおけるディーラーさんが一人いて、彼女とのメールのやり取りで終わってしまうため、買い付けに行くことは少なくなっていました。気が付けば、フクヤのオープン前からお付き合いしていた、もう一人のディーラーさんに随分と長く会っていないので、思い立って訪問することに。
彼女の家に行くだけが目的なので、コペンハーゲンは通り過ぎて海辺の街に移動。到着翌日の朝、時差ボケで早く目が覚めたので、海岸まで散歩しました。3月の終わりとはいえ、気温は5度程度で、東京の真冬並み。コートとマフラーは欠かせません。
ふと桟橋に目をやると、ガウン1枚の男女が次々に現れ、全裸で冷たい海に飛び込んでいました。
好奇心が湧いて脱衣場から桟橋へと向かう一人に「泳ぐのですか？」と質問すると「そうだよ、毎日ね。君もやってみれば？タダだし」「まさか！」「人生はチャレンジだよ！」「冷たいでしょう？」「大体4、5度だね」と笑顔を浮かべながら桟橋の端まで行き、ガウンを脱ぎ全裸でドボンと水に入っているのでした。
隣の桟橋に上がり水面を見下ろすと、すぐそこに海底が見える程の澄んだ水に驚かされました。そういえば、北欧の海は塩辛くないと耳にしていたので、いいチャンスと海岸に戻り手ですくって口に含むと「美味しい！」とこれまたビックリ。お吸い物よりも薄い塩加減で海水とは思えません。もう一口とすくって飲んでいると、犬の散歩をしていた人が「飲まない方がいいよ」と声をかけてきました。
「そうなんですか！？」と顔を上げると彼が「ほら」と桟橋から飛び込む人たちを指さしニヤリとして「だってあの人たちが泳いだ水だからね」。
ところで、この海岸近くのVedbæk駅は完成した1897年そのままの姿を残していることで、知られているそう。
何とも可愛らしい駅でした。
そうこうしているうちに約束の時間になったので、ディーラーさんのご自宅に訪問。クラッカーと数種類のチーズ、そしてイースターの時期だけ出されるデンマークのビールを出してくれました。クリスマスビールは知っていましたが、イースターにも出るんですね。
買い付け品は、記録のための写真なので単品でしか撮っていないのですが、一部をご紹介すると、デンマークらしくロイヤル・コペンハーゲンのマグや
ヴィンブラッドのマグなど。その他にクイストゴーや、アラビアのポモナシリーズなど。そして時期的に母の日プレートも買い付けました。
雑談中にディーラーさんご夫婦に今朝見た寒中水泳の話をすると「全身の血行が良くなり健康にいいと信じられているんだよね」「でも、目的の一つは友達に会う事じゃないかしら？」
ああ、そういえば脱衣場の横の休憩室ではマグを手に談笑する人たちがいたり、外には魔法瓶やお菓子を入れた籠を傍らに座っておしゃべりをしているオジサンたちがいましたっけ。
見ていると水に入るのはほんの一瞬。むしろアフター水泳の方が長かったりするのかも知れませんね。
ミタ
