こんにちは、梅雨が開け本格的な夏が近づいてきましたね。先週くらいからフクヤでもガラスのご注文が目立ってきました。
こちらのガラスピッチャーとタンブラーは、フィンランドのガラスメーカー、ヌータヤルヴィのもので、製造期間は1963年から70年です。デザインされたのは約50年前ですね。
デザイン名は「Rustica(ルスティカ)」。ラテン語で「田舎」「農村」を意味する単語ですが、ラテン語から派生したイタリア語でも同じ意味で使われるようです。フィンランドの製品にはイタリア、スペインといったラテン系のネーミングも多いので、もしかしたら、むしろイタリア語なのかな。
今回はピッチャーとタンブラー6個が同時に入荷したので、お得なセットでアップしました。どうぞ下記リンク先からご覧下さい。
→Nuutajarvi Rustica ピッチャー&タンブラー6個セット (グレー)
デザインは、フィンランドを代表するデザイナーの一人、Kaj Franck(カイ・フランク)。そのネーミングが意味する本当のところは分りませんが、この大変シンプルなデザインから推測する事は出来ます。
カイ・フランクについては日本語でも多くの文章や資料を手にする事が出来るので、今更私が詳しく解説する必要もないでしょう。
ですので簡単にご紹介すると、1911年生まれ(1988年没)。アラビア、ヌータヤルヴィでデザイナー兼アートディレクターとして、機能性と合理性をコンセプトとしたデザインを手がけ、代表作はKilta(キルタ)、Kartio(カルティオ)シリーズがあります。
また、美術大学で教鞭もとっていた彼は、デザインとは何か、について多くの言葉を残しています。
Good design isn’t finished until you’ve removed everything you don’t need. (不要なものを全て取り除くまで良いデザインにはならない)
Rusticaは全ての装飾性を排除した結果、リング状に飾られた凹凸が残されました。これは実際に使ってみると分るのですが、表面に水滴が付いた際の滑り止めの効果があります。
An object must survive upon its own conditions instead of the designer’s name, and design is an important part of those conditions. (物とはデザイナーの名前でなく自らの有り様によって生き残るものであり、デザインはその有り様の重要な一部である)
ごくシンプルでどこかで見た事が有るような気がしながらも、かといって使い古された感はなく、最近の製品と言っても信じてしまいそうな、現代性を持ち合わせています。
When we say beautiful, in a sense other that the logic of function and the perfection of style, we sometimes use the word timeless to express our highest appreciation of the concept beauty. (われわれが、機能の理論や形の完璧さを言う意味ではない、美を表現するとき、その概念について最高の評価を表わすためにしばしば、時代を超越した、との言葉を使う)
と、彼の残した言葉を並べるだけでブログが一つ書けてしまう、恐るべしカイ・フランク。
ミタ
最後の言葉はアアルト大学のエキシビション資料(英語)を参考にしましたが「in a sense other that」を「in a sense other than」と解釈して訳しました(そうでないと文が不自然だったので)。もしオリジナルのフィンランド語をご存知の方がいらっしゃったら、教えてください。
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