牛の目

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おはようございます。
毎日暑いですね。今朝も蝉が張り切って鳴いています。
昨日NHKで放送された「スペイン・ポルトガル絶景30」の中にスペイン、パンプローナの夏の風物詩、「牛追い祭り」が紹介されていました。
でも、あれって、どちらかというと「牛追われ祭り」だと思うのですよねー。
さて、こちらの一辺が10cmにも満たない、ガラスの小さなボウルは南欧からはるか離れた、北欧フィンランドからやってきました。製品名はHäränsilmä(Bulls eye / 雄牛の目)。そう思って見ると、その形は追われて興奮し、見開いた雄牛の目に見えますが、印象はもっと優しい。
サイズは大小あり、写真の小さいサイズとこれよりも一回り大きいものがあります。小さいサイズに比べると大きいものは見つかりにいのか、私は一度だけフィンランドのアンティークショップで見ました。
それにはどこかの町の紋章がプリントされていたので、買い付けはしませんでしたが、それもそのはず、このHäränsilmäは当時お土産品として大ヒットだったのだそうです。
特に小さいほうは人気で、各地で町の紋章をプリントした物が売られていたとか。
デザインは、フィンランドデザインの巨匠Kaj Franck(カイ・フランク)。灰皿、として通っていますが、「使う人が用途を決めればいいのだ」という彼の哲学の通り、特に用途は限定されていないようです。ワインを飲むときに、おつまみのオリーブを入れると、とても似合いますよ。
色は、クリア、アンバー、緑、グレイ、ペトロールグリーン、ライトブルーの6色は確実。でも、もっと他にもあるかもしれないのだそうです。どの色もとろりとした質感があり、ガラスなのにもかかわらず硬質なイメージはありません。
むしろ暖かささえ感じます。カイ・フランクのデザインの特徴のひとつに「あたたかさ」があると、展示会カタログに書いてありました。機能美を追求したのにもかかわらず、製品からかもし出される「あたたかさ」は彼の人柄を語っているのかもしれません。そうして、そういうところが人々を惹きつけるのでしょう。
この夏もあちらこちらの観光地は大賑わいだったと思います。そして、誰しもふと入った土産物屋で、心引かれ、手に取り、選んだものがあったことでしょう。
普通の土産物屋でカイ・フランクの製品が売られていたことには、羨ましささえ感じますが、当時この製品を手に取った観光客は彼のデザインということを知らなかったかも知れませんね。あるいは名前を聞いてもピンと来なかったかも知れません。
それでも、多くの人が心引かれ、大ヒットしたのだと聞くと、「デザインの力」というものを改めて感じるのです。そうして、私はそういうデザインの力に圧倒された興奮のほうが、牛に追われるよりもずっといいと思うのです。
ミタ
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家人はいつか牛追い祭りに出たいとほぼ毎日ジョギングをしています。
どうせなら足腰がしっかりしている今のうちに行って欲しいです。

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