スウェーデン北部のスンツヴァルの友人実家に滞在中の大きなエピソードは昨日の野外博物館で終了なのですが、印象に残った小さな出来事が色々ありました。これは、その小話集です。
ヘラジカ見晴らし台
森の近くを通るとしばしば目にする木組みの台。伐採のときに使うのかなあと漠然と思っていたのですが、全然違いました。
ヘラジカ(ムース)猟の時に使う見晴らし台とか。猟が生活に溶け込んでいる北欧ならでは。こういうのって現地の人に尋ねないと分からないものです。
たらこチューブチーズ味
スウェーデンならではと言えば、チューブに入った様々な味のスプレッド(パンやクラッカーなどに塗るペースト)。特に有名なのはタラコを使ったKalles Kaviar。日本には輸入できないため、スウェーデンに行くと自宅用に買って帰っています。1954年から続いている、青チューブのスタンダード味以外にも種類がいろいろあるのですが、もし口に合わなかったら困るなあと手を出したことはありませんでした。
今回、友人宅で初めてチーズ入り「Kalles Randiga」を食べたら、美味しい!スタンダードよりもこっちの方が好み。
絞るとタラコペーストとチーズが2色になって出てきます。友人がチューブの途中から絞るので、それではきれいな縞にならないと注意したのですが、言う事聞かなくて、もぅー!
2017年8月現在時点では、スタンダードとチーズ味以外に、味わいマイルドな「KALLES KAVIAR MILD」、砂糖50%控えめの「KALLES LÄTT」、軽い燻製味の「KALLES ORIGINAL KRAV」、強く燻製した「KALLES KAVIAR GULD」、軽い燻製にディルを加えた「KALLES KAVIAR DILL」、タラコとチーズと卵の3色ストライプ「KALLES RANDIGA ÄGG」の全8種類あります。
吹き流し国旗の秘密
スウェーデンでは自宅にポールを立てて国旗を飾っている家を良く見ます。友人の説明によると、国旗を飾っていいのは法律で祝日のみと決まっているとか。
今回友人宅に着いたのは夏至祭の日の日曜日、つまりスウェーデンの祝日だったので国旗が飾られていました。
では平日はというと、このようなスウェーデンカラーの吹き流しと決められています。いつも目にするのは吹き流し型なのは、こういった理由だったのですね!
夏至祭の翌日の月曜日、時差ボケで午前2時ごろ目が覚めて外を見ると、もう吹き流しに変えられていました。お父さんったらいつの間に!
日が沈まないってこのことか
先ほど書いた通り、夏至祭の日は夜の10時ごろ寝たのですが、夜中の2時ごろに目が覚めてしまいました。外を見ると薄明るいので、これから暗くなるのかしらと外を見ていたら、1時間経っても、2時間経っても暗くなるどころか明るくなって来ます。眠りに入った夜の10時ごろも夕方のように明るかったはず。じゃあ、いつ暗かったの!?
調べると、この日、この場所の日没は22時5分、日の出は1時47分。ほぼ1日中明るかったということなんですね。さすが1年で一番日が長い日の北スウェーデン(同じ日でもストックホルムは夜は暗くなったそう)。
この話を南スウェーデンやデンマークですると「寝られた?」と尋ねられたので、北欧の人でも夜が明るいと眠れないのでしょうかね?
マクドナルドより美味しいSibylla
友人が「マクドナルドより美味しいハンバーガーを食べに行こう」と連れて行ってくれたのが、Sibylla。スウェーデンのハンバーガーと言えばMAXしか知りませんでした。
彼が言うには「スウェーデンに帰ったらSibyllaのハンバーガーを食べようと思って、スウェーデンから日本に帰る時はSibylla食べ忘れたってなる」とか。今回は食べ損ねなくて良かったね。Sibyllaのハンバーガー、美味しかったですよ。
これがサフトか!
2日目の夜に彼のお母さんに、ストックホルムオリンピックのマラソンで気を失った日本人選手を助けた地元の人が彼にサフトとシナモンロールをあげた話をしたところ、大変に面白がってくれました。ちなみに、この話は2012年に「イギリスとオリンピックとストックホルムとマラソン」のタイトルで詳しく書いています。
その翌朝、お母さん手作りのサフトを飲ませてくれました。サフトとは夏に摘んだベリーを濃縮ジュースにして保存する方法。飲む時には水で薄めます。”丁度いい”薄さに作ってもらったら、ほんのり味がする程度。一口目は薄いな、と思ったのですが、北欧の乾燥した夏にはこの薄さの方がゴクゴク飲めて丁度いい。
この時気を失ったマラソン選手「金栗四三」の話は2019年に大河ドラマで「いだてん」のタイトルでドラマ化され、彼を中村勘九郎が演じるとか。スウェーデンでのエピソードは描かれるのでしょうか?サフトとシナモンロールは出てくるのでしょうか?(多分ないだろうなあ)
以上、スウェーデン小話でした。
そうして、お世話になった皆さんにお別れを言い、スンツヴァルを出てダーラナ地方へ。
(サフトに貼られたラベルが「2015」なので不安に思ったのですが大丈夫でした)