こんにちは、いつの間にやら9月になっていますね。
こちらはスウェーデン、Gefleのティーカップ「Solros」です。
Solrosとはヒマワリ、という意味ですので、描かれているのはヒマワリなのでしょうね。なので、夏の間にご紹介をと思っていたのに、もう9月・・・。
ヒマワリというとギラギラと眩しい太陽の下、力強く輝き、地面に濃い影を落としている光景を思い受かべるのですが、この花の絵は随分と爽やかで柔らかい雰囲気です。
北欧の弱い光の下ではヒマワリもこのように優しく映るのでしょうか。デコレートデザインは、Lillemor Mannerheim(リッレモール・マンネルヘイム 1927年-1994年)。スウェーデンとフランスの美術学校で学んだ後、Gefle、Rorstrand、Arabiaで活躍した才能あるデザイナーです。
Arabiaでは特にWWFの為に製作した動物シリーズが良く知られています。
Gefle時代の作品で一番人気があるのが、このSolros(1957年—1964年)でしょう。
個人的にも好きなシリーズで、コーヒーカップを自宅用に3客持っています。
この写真で、ティーカップの上に乗せているのが、そのコーヒーカップ。これを見ると、ティーカップが如何に大きいか、お分かりになるかも知れません。
彼女のもう一つの代表作が、この下の写真のカップ、Lillemor(1951年-1964年)です。
ところで、LillemorとSolrosのフォルムは、Gefle及びスウェーデンデザイン界を代表するデザイナー、Arthur Percy(1886年-1976年)による1951年の作品です。
Arthur Percyはについては以前フクヤ通信で書きましたので、良ければご覧下さい。
→変異、変形という名のカップ
クラシックな趣のある、Lillemorはリッレモール・マンネルヘイムのGefleにおける最初の作品と推測されるのですが、販売当時はArthur Percyの作品として売り出されました。実は私も4、5年前の資料から、てっきり彼の作品とばかり思っていました。
最新の資料では、リッレモール・マンネルヘイム作とあり、恐らく彼女が若く無名だったため、有名なArthur Percyの名を冠したのだろうと説明されていました。
確かに1951年当時、リッレモールは弱冠24歳。それどころか、パリの美術学校に在籍中の時期です。企業としてはArthur Percyの方が売りやすかったのは想像できます。
ただ、シリーズ名には彼女の名前「Lillemor」が残っていますね。なんだか、そこにGefleとArthur Percyの思いやりと敬意を感じます。
ミタ
カップのLillemorって名前は不思議だなあ、とは思っていたんですが。