小技が光るGDシリーズ

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おはようございます。今日の東京は昨夜の大雨から打って変わり、天気に恵まれた夏らしい土曜日となりました。皆様のお住まいのところはいかがですか?
さて、ArabiaのGDシリーズをまとめてお買い求めになってくださったお客様より、嬉しいお写真が届きました。
送ってくださったCさまは、都内で心療内科の病院を開業されています。病院の待合室を北欧をイメージした内装にしていらっしゃるとか。お写真を見せていただきましたが、あたたかな色調の柔らかいフォルムの木の家具がふんだんに使われていて、落ち着いた雰囲気は治療を待っている方の気持ちもゆったりとさせてくれそうです。
今回お買い求めになったクリーマーは待合室で花を飾るために使っていただきました。クリーマーもこのように使っていただくとまた別の表情を見せてくれて、新鮮な気持ちがしますね。
このGDシリーズは1961年から1972年まで作られ、クリーマー以外に、シュガーポット、ティーポット、またフクヤには入荷したことはありませんが、カップ&ソーサーがあります。
→アラビアGDシリーズをみてみる
フォルムデザインはヴァレンシアシリーズなどで知られるUlla Procopé(ウッラ・プロコペ)。表面に付けられた凹凸に自然に釉薬がたまり、その陰影が美しいシリーズです。また、フォルムも工夫があり、このクリーマーも、ソーサーも口のところにリング状の飾りがあり、そこから持ち手に自然につながる形が独特の美しさを持っています。
デザインの勉強をしているとき、良いデザインとは”秩序の中に混沌が、混沌の中に秩序がある”ものだと教わりました。言い換えれば”ちょっとした裏切り”があるデザインといえるのかも知れません。
持ち手かと思えば縁、縁かと思えば持ち手という騙し絵のようなフォルムは、デザイン上の軽い驚きがあります。ごく平凡な形と思っていてもどこか違和感がある。けれどもそれがどこなのか良く分からない。その僅かな混乱は、逆に見る人を魅了します。
1点1点異なる釉薬の豊かな表情とあいまって、そんなところも長く人気を保っている秘密なのかもしれませんね。

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ところで、今回Cさまからお写真を頂いて、改めてGDシリーズについて調べている過程で、思いがけない発見がありました。
こちらの写真で右側に置いたアラビアのティーポット。つややかな表面と、注ぎ口をつまんで上に引っ張ったような独特のフォルム、そして約600ccという日本の生活に丁度いい少な目の容量とあいまってフクヤでも人気のお品です。
いままでアンティークショップで尋ねても作者など詳しいことは分からなかったのですが、今回参考にした最近見つけた資料に、これもUlla Procopé(ウッラ・プロコペ)作と記載されていたのです。
1964年デザインのXF2モデルで、名前はMahonki。GDシリーズの艶あり茶色と同じ名前ですね。
市場に初めて出されたのは、1965年ですが、不思議なことにフィンランド国内では1970年から1974年と遅れて出されたようです。最初の5年間は輸出のみだったようで、主にどこの国に輸出されていたのか詳しいことは分かりませんでしたが、アラビアらしくない小容量もその為なのかと、想像が膨らみます。
こちらは今は在庫切れになっていますが、再来週の22日にアップするつもりで準備を進めています。暑い季節ですが、和にも合うデザインで、茶漉しも付いていますから、食後の日本茶にもどうぞ。
→アラビアXF2Mahonkiティーポット
新しく分かったことは、再来週のアップのときに商品説明に書き加えますね。
それでは良い週末を!
ミタ

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ところで、我が家は猫営業部長が花を食べてしまうので、この2年ばかり飾っていません。最初にウ●チに真っ赤なものが混ざっているのを発見したときの驚きといったら・・・!赤い花びらだったんですがね。

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