
スウェーデン2日目、6月4日は、以前からずっと行きたいと思っていた現代美術館「アーティペラーグ」へ。スウェーデン在住の方が、フェリーに揺られ風に吹かれながら向かう様子をSNSで見て以来、「私もいつか行きたい…」と憧れていた場所です。
「アート」と「アーキペラゴ(群島)」を合わせた「アーティペラーグ」の名前の通り、美術館はストックホルムに点在する約24万の島々のひとつ、ヴェルムド島にあります。
本当なら、夢見ていたフェリーで行きたかったのですが、運航は夏期のみ。私が滞在していた6月はまだ営業前で叶わず……あと数週間遅ければ乗れたのに、残念。それでも、美術館の運行するシャトルバスもあると知り、事前にネットでチケットを購入しました。バスは午前10時45分発。1日1本なので逃すと次はありません。もう「絶対に寝坊できない朝」確定。
あまりに緊張して逆に早く宿を出すぎ、1時間も早く中心部に着いてしまい、ヒュートリエットの市場や古い薬局をのぞいて時間つぶしをしました。



Åhlens(オーレンス)デパート前を通ると、偶然にも夏のセール初日!開店を待つ人の列に加わって、ちょうど欲しかったイベント用の景品にぴったりな可愛いタオルとマグを見つけることができました。

せっかく余裕を持って出ているのに、買い物なんてしていたのでバスの時間が迫り、慌てて移動するもバス停が見つからず焦って右往左往。人に尋ねてようやくたどり着いたのは中央駅近くの建物「シティターミナル」の中でした。道路沿いだと思い込んでいたので、まさか屋内とは!
どうも季節によって場所が変わるらしく、いまあらためてサイトを見ると「8月31日までシティターミナル、9月1日からクングスブロン(通り)から出発」とあるのですが…えっと、クングスブロンからシティターミナルに代わる日付が無いんですが……。
何はともあれ、私が利用した日はシティーターミナルが発着所。

スマホでチケットを見せて、無事に乗り込んだバスは橋を渡り、30分ほどで目的地に到着。モダンな建物が迎えてくれます。

まずは腹ごしらえ、とカフェへ。バスの同乗者たちもカフェへ直行する人が多く、みなさんお菓子を注文していて、それも美味しそう…でしたが、私はスープランチを選択。

カフェの窓越しには森と湖の風景がきれいに見えています。

スープにはパンとサラダがついていて、どちらも取り放題です。せっかくなので外に出てテラスで食べることにしました。テラス席から見える湖と森の景色が最高の癒し。少し肌寒い曇り空も心地よく感じます。

食後、いよいよ美術館へ。入館チケットを求めてカウンターに行くと「無料です」との返事。思わず拍子抜けしてしまいました。ちなみにここは私立美術館で、設立者はベビービョルンの創始者、ビョルン・ヤコブソン氏です。皆さんが赤ちゃんを支えていたあのビョルンが、こんな形でアートも支えていたとは。
早速、森と湖の周囲に置かれた彫刻をゆっくりと歩きながら巡ることにしました。地図が必要ならカウンターで購入できるのですが、まあ何とかなるだろうと歩き始めると、たちまち森の中で迷子に。

仕切り直してレストラン側に戻り、とりあえず高いところから確認しようと、外階段を上り屋上へ行くと、森に向かってジャンプするようなポーズを取っている躍動感ある子どもの像が。足元にはカラフルなセダムがパッチ―ワークのように配されているのが素敵。庭で真似したいけれど、日本の気候だと無理かもなあ。

最初に歩いた方向と逆に向かうと、湖に沿って作られた遊歩道が。遊歩道に沿って歩くと、次々にユニークな彫刻が現れ、やがて大きな金の卵の彫刻に辿り着きました。

さらに歩くと遠くに何やら見えてきました。

近づくと沢山の様々な国の文字で膝を抱えて座っている大きな人の像が。

随分と歩いたので、私もここで一休みして湖をしばらく眺めていました。水鳥の親子に和んだら、再び歩きます。それにしても、想像以上に歩く…!今回ばかりは「しずく堂さんが一緒でなくて良かった」と心底思いました。

1時間くらいで一周歩き、建物に戻ってきました。すっかり足も重たくなったけれど、湖のさざ波の音、鳥の声、森の匂いと心地よい疲れでリフレッシュされた感じです。戻ってきたカフェは満席で、なるほど皆さんはまずはお菓子を食べて散策してからランチなんだなと納得。次は私もそうしよう。

時計を見ると午後1時少し前。まだ余裕があるので、同じヴェルムド島にあるグスタフスベリ美術館へ行くことにしました。午後2時のバスが美術館前から出発予定。それまでショップをのぞいたり、ホールで美術書をパラパラ読んだり。ふと周囲を見ると、日本から出張できたらしい女性グループが。この方たち、後でまた再登場するのですが、それは次回のお話。
やって来たバスの座席横にはUSBの充電口がありました。スマホの電池が切れたら詰んでしまう北欧の旅では、本当にありがたい設備です。感謝しつつ充電させてもらいながらグスタフスベリへ。

こうして2日目は後半へと続きます。続きはまた次回。