ヴァイキングの娘

こんにちは。今日、スウェーデンからフィンランドに入りました。現在、夜の9時を回っているのですが、昼間のような明るさです。さすが、北欧。
さて、また食べ物の話でごめんなさい。写真はフィンランドではなくスウェーデンのディーラーさん、インゲルのところでご馳走になったお昼です。

お昼には、英語の苦手なインゲルを助けるために娘さんのマリア夫婦とお孫さんも来てくれました。これがお孫さん。半年ぶりに会ったらすっかり大きくなっていました。「写真を撮ってアップしてもいい?」と尋ねると「僕たちの娘に許可なんていらないよ!」と笑って了承していただきました。
もっと可愛い顔を沢山してくれたのですが、上手くその瞬間を撮る事が出来ませんでした。子供の写真って案外難しいのですね・・・。

そして、これがそのお父さん。つまりマリアさんのご主人です。なんと、毎年行われるヴァイキング祭りで扮装して出演、更にポスターではモデルもつとめるほどの大柄でいかつい人です。ちなみに、これは去年のポスター。今年の9月には二人でヴァイキング式の結婚式を挙げられるそうで、招待していただきました。ものすごく行きたいのですが、ちょっと時期的に難しいかも。

お母さん似でよかったねー。

ちなみにこの二人は先にお子さんが生まれ、最近入籍し(スウェーデンには戸籍が無いのでちょっと変な表現ですが)、結婚式がこれからなのです。スウェーデンは同居のカップルでも結婚しているカップルと法律的に差がほとんど無いので、結婚にあまりこだわりが無いようですね。いかにもスウェーデンらしい二人です。
さて、写真に撮ったのは様々な味のニシンの酢漬け瓶詰めです。食事はこのニシンの酢漬けから始めるのがスウェーデン流とか。まず好きな味のニシンをお皿に取り、茹でたジャガイモを添えて一緒に頂きます。ほくほくしたジャガイモとニシンの食感が良く合います。

これには、アクアビットという強いお酒を合わせるのが通例と勧めていただいたのですが、アルコールに弱いのでご遠慮しました。お酒が大丈夫な方は機会があれば是非お試しくださいね。
次はメインのサーモンと茹でたジャガイモ。メインのときは、デンマークと同じく上のお皿を片付けて、下のお皿を使っていただきます。

2枚のお皿を重ねて食べる、デンマークの食事マナーはこちらから
ここで、またジャガイモと侮る無かれ。ジャガイモはジャガイモでも、別の種類が用意されていました。
「ニシンにはあのジャガイモだけど、サーモンにはこのジャガイモでないとね」とジャガイモにはこだわりがありました。さすが何十種類もジャガイモがある国です。
その種類の違いを強引に日本のジャガイモで言うと、ニシンは男爵のようなホクホク系、サーモンはメイクイーンのようなネットリ系でした。そして、ニシンの時と違い、サーモンのジャガイモは皮付きのまま出されるのですが、その場でナイフを器用に使って皮を剥いてから頂きます。
買い付けに行くのは時間も手間もかかりますが、直接こういった暮らしぶりに触れるたびに来て良かったと感じます。食器をどう使うのか、道具をどう使うのか。どのように何を調理し、何を使って、どのような場面で食べているのか。
ただ商品をお店で買いつけ販売するのではなく、実際に体験した生の生活の部分も一緒にお伝えしたいと、いつも思っています。
もっとも、短い滞在で私が知るのは、生活のほんの一部ではあるけれど・・・ゼロよりはマシかなあ、と自分を慰めつつ・・・。
最後はバニラアイスに小さな種のプチプチした歯ごたえが美味しい、手作りのベリージャム。このベリーを英語でなんと言うのか分からないそうなのですが、去年の秋に自ら摘んできたものです。ジャムの入った瓶には”2009″と去年の日付が手書きで書かれたラベルが貼ってありました。

とても繊細なベリーなので、道具を使わずに手で摘まなければならないとか。このベリージャムの市販品を買うときはラベルを良く見ないとリンゴと混ぜてある場合もあるそうで、100%ベリーだけの手作りジャムは大変な贅沢でした。
さて、食べるだけではなくちゃんと仕事もしています。ここでは、200点ほどのアイテムを見つけてきました。

また、その翌日は去年知り合った別のディーラーさんのところへ。彼は平日昼間は会社勤めをしているので、電話をして仕事が終わった夕方の時間に会う約束をしていました。
彼からは、ドイツや東欧のものも含めてこんな感じのものを選びました。この写真以外にもホウロウのポットをいくつか合わせて100アイテムくらい。
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写真以外にも可愛いものが沢山見つかって、夕方まで待った甲斐がありました。
日本ではこのように会社勤めをしながら副業を持つには時間もなく、また会社の規則で禁止しているところも多いらしいと聞くのですが、スウェーデンではそういったことは無いそうです。
残業や休日出勤もほとんど無く、自分の時間を沢山持つことが出来る、北欧らしい仕事のスタイルなのですね。
ミタ
ところで、マリアの仕事は大学の研修室。専門はディスレクシア(難読症)ということで、ディスレクシアについて色々と興味深い話を伺いました。
ディスレクシアとは文字の読み書きが困難な症状です。知的には全く問題が無いのに、文字を認識できないのだそう。
「あ!それについて何か読んだわ。日本語では症状が出なかった人が、外国に行くと文字の読み書きが出来ず、初めて自分がディスレクシアと気付くことがあるって。」
「そうなの?そういった言語によって症状が出たり、出なかったりすることも、私の研究テーマのひとつなの」
「日本語は絵のようだから理解できるのかしら?」
「日本語は分からないけど・・・。発音を文字の綴りどおりに行う、例えばスペイン語は問題は起こらないけれど、綴りどおりでない、例えば英語やスウェーデン語の一部では症状が出るの」
「あ、そうか。日本語は書いたとおりに読むから」
「そうなの?」
ということでした。人体の不思議です。
「でも」と娘さん。「人はそれぞれある分野では得意で、ある分野が苦手なものでしょう?」
「例えば、私がスポーツが苦手で、絵を書くのが得意みたいに?」
「そう。もし、300年前なら足が遅いことは生活を困難にしたかもしれない」
「なるほど。現代では足が遅くても問題にはならない」
「そうね」
「でも文字の読み書きが出来ないと問題になる」
「そう。でも数百年前は読み書きは一部の人のものだったから」
「その時代なら生活は困難ではなかったかも」
「そういうこと」
そうかー。どんな分野でも専門家の話は面白いものですねー。

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